のん、演技は「生きる術」 『私をくいとめて』で日本映画批評家大賞 主演女優賞に
女優・のんが主演を務める映画『私をくいとめて』が、第30回日本映画批評家大賞にて「監督賞」「主演女優賞」をダブル受賞したことが10日、明らかになった。
同作は作家・綿矢りさによる同名小説の実写化作で、ロングランを記録した『勝手にふるえてろ』の大九明子監督が監督・脚本を務める。30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子(のん)は、脳内の相談役「A」と一緒に平和なおひとりさまライフを過ごしていたが、ある日年下の営業マン・多田くん(林)に恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へ踏み出すことにする。「第33回東京国際映画祭」(TIFF)の観客賞も受賞した。
監督賞を受賞した大九明子監督について、同賞では「誰しもの心にある“ダーク”なところを描きながらも、それを弾けるようなポップさで昇華させる。『私をくいとめて』はまさに“今“を感じさせる、クオリティの高い大九監督の代表作になったといえるだろう」と評価。
さらに主演女優賞を受賞したのんについては「脳内に相談役のAという存在を誕生させてしまった31歳のひとりの女性を、これほど説得力を持って演じ切ったのんの演技力は素晴らしかった」