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フィリップス「Fidelio M2BT」を試し聴き - Apple Watch、XperiaとBluetooth接続したその音は

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フィリップス「Fidelio M2BT」を試し聴き - Apple Watch、XperiaとBluetooth接続したその音は
●ヨーロッパ生まれのプレミアムヘッドホン
Philips(フィリップス)から登場した「Fidelio M2BT」はBluetoothに対応したオンイヤー型ワイヤレスヘッドホン。スタイリッシュな外観もさることながら、音にこだわるユーザからも熱い視線が注がれる新製品だ。そのM2BTを、Apple WatchとXperia Z Ultra SOL24で聴き比べてみた。

○ヨーロッパ生まれのプレミアムヘッドホン

Fidelio(フィデリオ)は、蘭Philipsが設立した欧州生まれのプレミアムオーディオブランドだ。ヘッドホン、イヤホンなどプライベートオーディオを中心に製品を展開。音の特性を聴き分けるトレーニングを重ねた「Golden Ears」と呼ばれる音の職人たちによる徹底したサウンドチェックもあり、世界のオーディオファンから高い支持を集めている。

M2BTは、そのFidelioブランドのワイヤレスヘッドホン。口径40mmのネオジウムマグネット採用ドライバーを搭載し、バスレフ構造のハウジングにより豊かな低域表現を可能とした。
表面に高品質レザーを奢ったイヤーパッドは、クッションに低反発素材を使用し長時間の装着も考慮。ハウジング部を90度回転させればフラットな形状となり、持ち運びも容易だ。

ところで、M2BTには"姉妹機"といえるヘッドホンがある。それは同時期に発表された「F1」で、口径40mmのドライバーやハウジング、強化ファイバー素材を編み込んだヘッドバンドなど基本構成は共通。違いはBluetooth対応の有無で、付属のオーディオケーブルを使えばF1と同等のワイヤードヘッドホンとして活用できる。言い換えれば、F1にワイヤレス機能を加えたモデルがM2BTなのだ。

対応するBluetoothのバージョンは4.0。コーデックはA2DP標準のSBCに加え、AACとaptXをサポートする。
NFCにも対応しており、Androidスマートフォン/タブレットなど対応機器であれば軽くタッチするだけでペアリングが完了する。290gという軽さながらバッテリーを内蔵、約3時間の充電で約10時間の連続ワイヤレス再生が可能なこともポイントだ。

ワイヤレスで曲操作もできる。右耳側のハウジングには「イヤーシェルコントロール」と呼ばれるBluetooth/AVRCP対応リモコンを装備、再生/停止や曲送り/戻し、音量調整と通話切り替えをジョグダイヤル風のボタンで行える。●"送り出し側"で音は大きく変わる
○"送り出し側"で音は大きく変わる

Fidelio M2BTはワイヤードのヘッドホンとしても利用できるが、その真骨頂はワイヤレス。ここまで記事を読み進めていただいた向きも、Bluetooth接続で聴いたときの音が気になっているに違いない。Bluetooth/A2DPで必須のコーデック(SBC)に加え、より高圧縮/高効率なAAC、それをも上回るaptXで聴けるとすればなおさらだ。

試聴には、aptXに対応するプレーヤーとしてXperia Z Ultra SOL24、AACに対応するプレーヤーとしてApple Watchを用意した。
Apple Watchはプレイリストを同期すると自律的な再生が可能となり、SBC/AAC対応というiPhone/iPadとスペック的には同水準のプレーヤーになることはあまり知られていないため、敢えて起用したというわけだ。スタイリッシュな新製品同士の組み合わせは、Bluetoothオーディオの再生環境として先端を行くと言っていいだろう。

まずは、ワイヤードヘッドホンとしての実力を検証。低域を若干強調しつつも全体の傾向はフラットで、音の輪郭もしっかり。スネアドラムのアタックから収束までもすばやく、ハイハットの音もヌケがいい。ベースの量感は多めで、ロックやハウス系の曲にドライブ感を添える。

ワイヤードヘッドホンとしての音を基準に、Apple WatchとペアリングしてBluetooth(コーデックはAAC)で聴いてみると、だいぶ印象が変わる。Apple Watch側の問題と思われる再生開始直後の音飛びはともかく、音の情報量が減り全体的に"痩せて"しまうようだ。
タイトな印象だったベースの音も、打って変わってモタつき気味に。同じくコーデックにAACを使うiPhoneが同傾向だったことも、ひと言添えておきたい。ただし、腕に巻いておくだけのApple Watchは機動力抜群、移動時の使用ではまた別な魅力を放つに違いない。

送り出し側をaptX対応のXperia Z Ultra SOL24に変えると、再び印象は一変する。輪郭の鮮明さや音場感、ボーカルの定位はワイヤードのときに近く、低域のレスポンスもスピーディー。Apple Watch(AAC)のときは明らかに痩せてしまった音が、だいぶ元の水準に戻ったよう。ポップスを気軽に楽しむときはともかく、音の微妙なニュアンスを感じたいときはaptX対応のスマートフォン/オーディオプレイヤーがお勧めだ。

質感高くワイヤレス再生時の音も高水準なFidelio M2BTだが、一つ念押ししておきたい。
頭の形が縦長のヨーロッパ人向けにデザインされているのか、少々側圧が高めだ。外耳を押す構造のオンイヤータイプということもあり、どの程度連続使用するのかを頭に入れつつ、店頭で試してみるとよいだろう。

なお、この5月よりオンキヨー&パイオニアイノベーションズがフィリップスのオーディオ製品の国内代理店をつとめている。

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