糖尿病の新治療薬開発に期待 - NIBB、インスリン受容体の抑制酵素を発見
同成果は、同研究所 統合神経生物学研究部門の新谷隆史准教授、野田昌晴教授らによるもの。詳細は生化学専門誌「Journal of Biochemistry」に掲載された。
具体的には、受容体様タンパク質チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)のR3サブファミリーに属する分子群(Ptprb、 Ptprh、Ptprj、Ptpro)がインスリン受容体を脱リン酸化することで、その働きを抑制していることを見出したとする。
これまで糖尿病の治療薬としては、インスリンそのものや膵臓からのインスリンの分泌を促進するもの、腸管からの糖の吸収を邪魔するものなどが用いられてきたが、今回の成果を踏まえ研究グループでは、R3 RPTPサブファミリーを阻害する薬剤が新たな糖尿病の治療薬となる可能性が示されたとしており、今後の治療薬開発に進むことが期待されるとコメントしている。