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Apple Watchが隠れた能力を開放へ、その実力とは?

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Apple Watchが隠れた能力を開放へ、その実力とは?
●Apple Watchの利用シーンが増える
今秋リリースされるwatchOS 2の登場で、Apple Watchの制限されていた諸機能が使えるようになる。OSのアップデートでApple Watchの性能を引きだせるようになるわけだ。果たして、Apple Watchの真の性能とはどの程度のものになるのだろうか?

○ネイティブアプリやWi-Fiが解禁

Apple Watchはスマートウォッチとしては、実は比較的コンパクトな製品だ。搭載されるバッテリー量も比例して小さく、登場した当初から弱点はバッテリー持続時間であると言われ続けてきた。実際、アップルもバッテリー動作時間は「約1日」と、毎日充電が必要なことを強調してきた。ところが実際に装着してみると、丸1日程度は軽くバッテリーが持つ。「さては批判が怖くて、かなり少なめに見積もった数値を出してたな?」などと思われてきたという背景がある(思っていたのは筆者だけかもしれないが)。

また、バッテリー対策としては、消費電力の大きなCPUに仕事をさせないよう、サードパーティが開発するアプリの処理はiPhoneに行わせ、Apple Watch側は表示だけに専念させたり、液晶の書き換えで電力を消費することがないよう、動画コンテンツを表示する文字盤の搭載を、発表直前になって取り消すといった涙ぐましい努力が重ねられていた。
3G/LTEはおろか、Wi-Fiに非対応なところも、バッテリー対策ではあろうが、Android Wearなどの単体で動作するスマートウォッチと比べると弱点に数えられてきた。

ところがwatchOS 2ではこれらの弱点と言われていた部分がまとめて解禁される。まずサードパーティにはネイティブアプリが解禁され、新たに追加される文字盤にはタイムラプス動画を表示するものがある。サードパーティ製アプリの中でスムーズな動画を再生するのも可能になった。

さらに、これまではOS側で無効にされていたWi-Fi機能(IEEE802.11b/g/n、2.4GHz帯のみと推測)が有効になり、iPhoneがない場所でも、Wi-Fiがあれば単独で動作できるようになった。iCloud経由で読み込めるものであれば、カレンダーや音楽の再生も可能だろう。これは大きな変化になる。●他のスマートウォッチと何が違う?
○ほかのスマートウォッチと比較

Apple Watchについてはまだスペックがはっきりしていない面(特にCPUまわり)もあるが、さまざまな分解レポートなどを基に、現在判明している範囲で、あらためてAndroid Wearやその他のスマートウォッチとスペックを比較してみよう。
日本国内で購入できるスマートウォッチとして、ソニーのSmartWatch 3(Android Wear)と、サムスンのGalaxy Gear S(Tizen OS)に登場してもらった。

■スペックを比較

こうして並べてみると、Apple Watchは案外サイズがコンパクトで、重さも軽いことがわかる。一番重いのは42mmの18kモデルだが、比重が重い金を使っているのでやむを得ないところだろう。軽さはそのままバッテリー容量の小ささに直結しているが、それにしては頑張っているほうだろう。

これまで使えないと思われてきたWi-Fiが(解体報告からチップを搭載しているのはわかっていたのだが)使えるようになったこと、ビデオ再生に正式に対応したこと(これまではコマ送りのような動画のみだった)が、watchOS 2で解禁された内容になる。

Apple S1プロセッサは動作クロックやシングルコアなのかデュアルコアなのかなど、詳細がまだ判明していないが、Apple A5プロセッサと同等の処理能力があると言われている。Galaxy Gear SのCPUは詳細が不明だが、SmartWatch 3のCortex-A7 1.2GHzクアッドコアというのは、概ねAcer ICONIA A1-810あたりと同等だ。これをAntutuベンチマークで比較すると、A5を搭載したiPhone 4sと概ね同等程度(ICONIAがやや下げる)だ。
これがそのままApple Watchに当てはまるとすれば、性能的には同等といったところだろう。

その他のスペックを比較しても、NFCの有無(Apple WatchはApple Payのみの利用になる可能性が高い)や各種搭載センサーの種類など、スペック的には「ほかのスマートウォッチと同等」といっていいだろう。

●Apple Watchはこれからが本当の評価
○隠していた爪を出してからが本当の評価

Apple Watchはスペックを前面に押し出さずに展開されている製品だ。例えば搭載されているCPUのクロック周波数やコア数、メモリ搭載量といった話は、アップルのウェブサイトを見ても掲載されていない。ファッション性の高いアイテムだけに、数値だけを追ったスペックよりも、実際の使用感などを見て欲しいという気持ちの表れなのだろう。確かに、実際に触ってみると「スペックはどうでもいいかな」と思わせる気持ちの良さを備えており、「百聞は一見に如かず」ならぬ「百読は一触に如かず」といった感じだ。

とはいえ、実際に触ってみる機会が取れない人にとっては、スペックも立派な評価軸の一つだ。Android Wear端末に見劣りしていた部分が、watchOSのアップデートで肩を並べるに至ったわけで、IT系メディアのライターとしてみれば、両者をようやく同じ舞台の上で公平に評価できるようになってくれた(感情を交えないで、第三者が記事だけで客観的に比較・評価できるという意味で)。
正式リリースは秋まではお預けとはいえ、この点は一安心だ。

こうして並べてみると、バッテリー容量は相変わらずApple Watchのアキレス腱だが、現在の使用環境では明らかにスペックを上回る時間利用できているので、思うに、バッテリー駆動時間に関しては、最初からwatchOS 2でネイティブアプリをサードパーティに解放したり、Wi-Fiを使えるようになった状況を前提に設定していたのではないだろうか。単独で3G通信能力を持つGalaxy Gear Sは別として、Android Wearとは通信能力やアプリの処理方法などを含め、ほぼ並んだと言っていいだろう。

逆に言えば、Apple Watchはこれまで「OSの制限でiPhoneがないと使えないから」と言っていた部分が解消され、言い訳の効かない状況になってきたのも事実だ。機器の使い勝手はスペックだけで語れるものではないし、むしろその使い勝手、ユーザー体験といった部分こそがアップルの最も得意とする分野だけに、そう簡単に譲るとも思えない。

となると、今度こそ真価は「アプリによる」となってくるが、Apple Watchのネイティブアプリが解放されたことで、多くの開発者たちが開発に取り掛かっているはずだ。これまで様子見だった開発者も積極的に参入してくることが予想され、Android Wearでも同様にアプリ開発が進むはず。ウェアラブル時代の真価が問われるのはこれから、ということになりそうだ。

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