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感圧トラックパッドを搭載した、新しい「MacBook Pro Retina 15インチモデル」を試す!

マイナビニュース
感圧トラックパッドを搭載した、新しい「MacBook Pro Retina 15インチモデル」を試す!
●SSDはより高速に、バッテリーライフも向上、上位モデルはGPUも変更
○よく見ると大きく違う、今度のRetina 15インチモデル

ノート型Macのハイエンドモデル「MacBook Pro」。2012年6月発売のモデル(Mid 2012)では、Macとしては初となるRetinaディスプレイを採用、以降約半年間隔でモデルチェンジを繰り返してきた。しかし、SSDのインターフェイスがSATAからPCIeに代わり、GPUが最新のものに置き換えられてきたものの、アルミニウム製ユニボディに変更らしい変更はない。

その意味では、ここ数年マイナーチェンジが続いてきたMacBook Proだが、3月発売の13インチモデルは目を引いた。同時期に発表されたMacBookとともに、「感圧タッチ(Force Touch)トラックパッド」を載せてきたのだ。UIに一家言あるMacファンならば、このデバイスに注目しないわけにはいかないはず。

そこに登場した新しいMacBook Pro Retina 15インチモデル。感圧タッチトラックパッド搭載はもちろんとして、いくつかの見るべき改良が施されている。


まずは内蔵バッテリー。前モデルのMid 2014と比較して95→99.5Whに増強され、典型的な利用パターンとしてAppleが提示するワイヤレスでのWeb閲覧時における駆動時間が最大8時間→9時間にまで延びた。全体の重量は約20gしか増えていないにもかかわらず、これだけパワーアップしたことは素直にうれしい。

CPUはIntel Coreプロセッサの第4世代「Haswell Refresh」のi7から変更されておらず、Turboost時を含めたクロック、共有L3キャッシュの容量(6MB)ともMid 2014と横並びだが、上位モデルのディスクリートGPUはNVIDIA GeForce GT 750MからAMD Radeon R9 M370Xへと変更された。容量2GBのGDDR5メモリを搭載するこのGPU、最大5120×2160ピクセルの解像度を誇るうえGeForce GT 750Mより最大70%も高速というから、4K映像のような"重い"コンテンツのハンドリングに期待できる。

SSDの接続が、スループット最大2GBpsのPCIe 3.0/4レーンなことも見逃せない。SSDの転送速度はPCIeのレーン数と、利用するSSDのスペックにより決定されるが、Late 2013/Mid 2014のときは本体が4レーン対応でもSSD側が2レーンのため最大1GB/秒にとどまっていたが、今回のMid 2015はすべて4レーン。リンク速度も8.0 GT/秒と高速だ。


●感圧タッチトラックパッドの使い心地は?
○感圧タッチトラックパッドを試す

今度の15インチモデル、幅358.9×奥行き247.1×高さ18mmというユニボディのデザインに変更はなく、外観はほぼ同じ。重量は20gアップ(15インチモデル)しているが、2880×1800ピクセルのIPS液晶を採用したRetinaディスプレイも変わりなく、携帯性/機動力に変わりはないと言っていいだろう。

繰り返しになるが、最大の変更点はやはり「感圧タッチトラックパッド」の採用だ。3月発表のMacBookおよびMacBook Pro 13インチを未導入の身としては、この新デバイスにじっくり触れることができる絶好の機会、入念にイジりまわすことにした。

その前に、感圧タッチトラックパッドについておさらいしておこう。かんたんにいえば、従来のマルチタッチトラックパッドに圧力感知機能がくわわり、電磁石を用いたバイブレータの一種「タプティック・エンジン」で指先に振動をフィードバックする機構を追加したデバイスだが、構造は大きく変化している。

従来のマルチタッチトラックパッドは、押すと手前が沈み込む構造(ダイビングボード)を採用しており、沈み込むための"あそび"のスペースが必要だったが、感圧タッチトラックパッドにはない。圧力を感知する感圧センサー4基を設置し、圧力を感知するとタプティック・エンジンを振動させ指先に押したような感覚を知らせるしくみ。
言ってしまえば"疑似クリック"だ。

パッド自体に可動部はないため"あそび"を設ける必要もなく、そのぶんスペースの節約が可能になった。直接の因果関係は不明だが、Mid 2015でバッテリー容量が増えたことと無縁ではないだろう。

そのクリック感だが、従来のマルチタッチトラックパッドとほとんど変わらない。反応は2段階あり、最初に押し込んだとき(クリック)、そのまま押し込んだとき(プレス)それぞれに指先に感触が伝わる。軽くクリックすると"コリッ"、強く押し込むと"コリコリッ"とでも言えばいいだろうか。これがタプティック・エンジンの振動なのだということは頭では理解できても、本当は可動部があるのでは? と思わせるほど自然な反応だ。

タプティック・エンジンといえばApple Watchの採用でも知られているが、印象は多少異なる。
Apple Watchの場合、クリックはなくプレスだけの1段階。手首に装着するため振動がデバイス全体に伝わることもあり、"コリッ"ではなく"ブルッ"に近い。それを思えば、感圧トラックパッドの疑似クリックがいかに"実クリック"に近い味付けを施されているかがわかる。

クリック感がタプティック・エンジンの働きによるものという証明はかんたんにできる。電気的に遮断する、つまりMacBook Proをシャットダウンすればいいのだ。実際、シャットダウン後にクリックを繰り返してみたところ、確かに指先に伝わるものはない。パッドの隅々まで均一にあったクリック感が、きれいに消えた。

ところで、感圧センサーが感知する圧力レベルはそれほど多くはないようだ。
「プレビュー」の署名機能で、毛筆風になるよう指先に強弱を付けながら文字を書いてみたが、止めや払いはそれらしくならなかった。押す強さに応じて線は細く/太くなるのだが、変化の幅は小さく、たっぷり"ためて"から払うような筆跡にはならない。App Storeで感圧センサー対応アプリを探しても見つからず、プレビューの署名機能でしか試せていないが、手書きテイストは実現できても毛筆テイストは難しそうだ。

3月に先行発表された13インチモデルは、CPUにBroadwell世代のCore i5/i7を採用、内蔵GPUもIntel Iris Graphics 6100に更新されるなど今回の15インチモデルの先を行く部分もあるが、AMD Radeon R9 M370X搭載モデルは外部ディスプレイに最大5K(5120×2880/60Hz)で出力できるという他にない特徴がある。映像重視のユーザーならば、このパワフルなディスクリートGPUを積む上位モデルを選んだほうが後の憂いは少ないだろう。

気になるのは価格で、今回は下位モデルが22万4,800円、上位モデルが28万2,800円(Apple Store価格)となった。15%以上の値上げと映るが、大きく円安に振れた最近の為替水準からすると理不尽なわけではなく、SSDのスループット向上やバッテリーの改善、上位モデルではディスクリートGPUの性能アップというメリットもある。敢えて15インチを選ぼうというユーザにとっては、"欲しいときが買いどき"というMacの法則にかなうニューモデルといえる。

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