街中の不正改造車を検証 - 乗用車・二輪車編
国土交通省は、一般ユーザー1,760人を対象に「不正改造車排除運動に関するアンケート」を実施しました。その結果、不正改造車で危険等を感じたことが「よくある」「たまにある」と答えた方は、約70%も存在しているにもかかわらず、不正改造が犯罪行為であり、罰金・罰則まであることを知っていた方は、約50%程度でした。この調査結果からも不正改造車に対する認識の低さをお分かりいだけると思います。
不正改造といえば、巨大なウイング類を装着したクルマや車高を意図的に下げたクルマを思い浮かべる方が多いのですが、実は気軽な気持ちで行っていたことが不正改造となるケースも多いのです。今回は、家族や友人などのリクエストやクルマ・バイク好きが高じて行ってしまった不正改造の例を紹介します。
○子供がよろこびそうだから、ヘッドライトのカラーを左右で変えてみたい!
ヘッドライトのランプの色を左右で変えるのは不正改造になります。もし、ランプが切れてしまったら、お金はかかりますが、2本セットのランプを購入し、2本とも交換してしまうのが無難。また、ヘッドライトをもっと明るくしたい、と考えて、たとえば55Wのランプを80Wクラスのランブに交換するケースもありますが、この場合は、不正改造にはあたりませんが、消費電力が上がり、発熱量が増え、樹脂レンズやハーネスが痛む、ヒューズが切れる、などの原因にもなりますので要注意。なお、ヘッドライトの色は、走行用およびすれ違い用ともに白色と決められています(但し、平成17年12月31日以前の製作車は、走行用およびすれ違い用ともに、白色の他に淡黄色でもよい)。
○サスペンションを切って車高を下げたり、ミュージックホーンを取り付けることも不正改造の対象になります
車高を低くするためにサスペンションのスプリングを切断したり、除去しているクルマを見かけることがありますが、もちろん、これは不正改造です。サスペンションは、クルマを正常かつ安全に走らせるために不可欠な装置であり、切断や除去は大事故に直結します。
また、「目立ちたい」といった理由で警音器をミュージックホーン等のように、音が自動的に断続する製品を取り付けているクルマも不正改造車になります。これ以外にも、音の大きさ又は音色が自動的に変化する、又は運転席で容易に変化させられるものも不正改造の対象になりますので要注意です。
○マフラー(消音器)を取り外して、バイクのパフォーマンスをアップさせたい!
「排気音を迫力ある大きい音に変えたい」「触媒を取り外すと、排気のヌケがよくなると聞いた」などの理由で自動車やバイクのマフラー(消音器)を切断したり、マフラーに装着された触媒を取り外してしまうケースも数多く見受けられます。これらはすべて不正改造の対象になります。
自動車やバイクは、騒音の発生を有効に抑制することができるマフラー(消音器)を備えることが法令で決められています。また、マフラーを切断したり、取り外すと、周辺に生活する人の生活環境を破壊し、騒音公害の原因になります。絶対にやめましょう。
マフラーの集合管を切り取った、俗称「バラチョン」と呼ばれる例。轟音を発するだけでなく、エンジンに負担がかかり燃費も悪くなります。良いことはひとつもありません。
なお、交換マフラーにカスタマイズする際は、性能等確認済表示(JMCA、JQR、JATA、JARI等の性能等確認マーク)、協定規則適合品表示(Eマーク)又は欧州連合指令適合品表示(eマーク)等の表示のある基準適合品を使用するようにしましょう。
"不正改造車・黒煙110番"では、不正改造車に関する寄せられた情報をもとに、不正改造が疑わしい車両のユーザーに対して、不正改造状態の改善や自主点検等の指導を行っていますので、もし不正改造を見かけたら、"不正改造車・黒煙110番"にご連絡されてはいかがでしょうか。百害あって一利なしの不正改造。ぜひ愛車をチェックしてくださいね。
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