「Thunderbird 38.0.1」を試す - 1年ぶりメジャーバージョンアップ、Lightningを統合
○Thunderbird 38.0.1のアップデート
今回のバージョンアップは、1年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。バージョン31.6.0までは、Firefoxと同じタイミングでリリースが行われていた(セキュリティバージョンアップのみだが)。途中、31.7.0のリリースがあったりと、やや変則的なバージョンアップが続いた。これ以降は、いつも通り、セキュリティアップデートのみとなることが予想される。アップデートは、[ヘルプ]メニューの[Thunderbirdについて]から[再起動して更新]をクリックする(図1)。
新規にインストールするならば、Thunderbirdの公式ページから[Thunderbird無料ダウンロード]をクリックし、インストーラをダウンロードする(図2)。
アップデートしたThunderbird 38.0起動したところが、図3である
新規タブが開かれ、38.0の新機能の紹介がある。具体的には、以下の通りである。
Yahooメッセンジャーのチャットに対応
送信済みおよび保管したメッセージのフィルタリング
複数のアドレス帳の横断検索
フォルダペイン列を追加
Google OAuth2に対応
カレンダー機能の統合
メール編集機能の修正
Linux上のフォントの扱い
新機能といっても、これまでバグ情報などで登録されたものがベースとなっている。
○38.0.1の新機能
以下では、これらの新機能で、変更が具体的に見える箇所を紹介しよう。まずは、Yahooメッセンジャーのチャットであるが、新規アカウント作成のチャットを開くと「Yahoo」が追加されている。
アドレス帳の検索では、アドレス帳の選択で[すべてのアドレス帳]が追加された。
このようにすべてのアドレス帳に対し、横断検索が可能となった。フォルダペインでは、フォルダペイン列が追加され、カスタマイズが可能となった。
フォルダペイン列の表示・非表示は、[オプション]→[レイアウト]で設定できる。フォルダペイン列には、未読数、総数、サイズの3項目が表示される。この3項目は、非表示にすることもできる。
Gmailのアカウント設定では[サーバ設定]の[認証方式]で「OAuth2」が選択可能になっている。
カレンダー機能の統合は、これまでアドオンとして提供されてきたLightningアドオンが、同梱されるようになった。新規に38.0.1をインストールした際には、起動時に使用するかの確認が行われる。
筆者の場合、31.7.0からのアップデートであったが、この場合にはLightningアドオンが自動的にインストールされることはなかった。Lightningアドオンは公式アドオンであり
、比較的人気も高い。
インストール済みの場合もあるので、アップデートでは自動的にインストールが行われないようになっていると予想される。
メール編集機能の修正では、編集フォントの保存やインラインスペルチェックの機能などが変更となった。日本語のスペルチェックは、事実上使えない状態なので(辞書がない)、大きく変わることはないだろう。また、Linuxでのフォントの扱いであるが、システムフォントと競合するため、sans-serif、serif、monospaceのフォントを使用したメッセージ編集が削除された。今後は、Helvetica、Times、Courier(もしくはFixed Width)を選択することになる。
図3で紹介されていない新機能などには、以下のようなものがある。
RSSフィードの国際化ドメイン名URLをサポート
メッセージフィルタがアーカイブフォルダに対応
会話中で、読んでいる位置のマーカーラインを追加
Twitterで残りの文字数を表示
リリースノートを確認すると、新機能は12、変更は5、修正は17となっている。セキュリティアップデートはなかった(31.7.0で対応済みということだろう)。
とはいえ、速やかにアップデートしておくべきであろう。
提供元の記事
- 「Firefox 38.0.5」公開、"あとで読む"サービスPocketを統合、リーダー機能も
- 「Thunderbird 31.7.0」を試す - 定型文を登録するClippingsアドオンも紹介 (1)
- 「Thunderbird 31.6.0」を試す - メール作成でハイライト機能を可能にするHighlighterアドオンも紹介 (1)
- 「Firefoxが38.0.5」を試す - マイナーバージョンアップ、ポケットやリーダーモード追加 (1)
- 「Firefox 38」を試す - Firefox内蔵プレーヤをデフォルトにするHTML5 Video Everywhere!アドオンも紹介 (1)