壊れたiPhoneの修理をお客さんの目の前で行うお店「SHOWCASE秋葉原」で職人技を見た!
しかも、単なる修理サービスとはちょっと違うのだとか。いったい、どういうことだろう。実際に店舗まで足を運び、修理サービスを体験してみた。
今回、店舗で修理サービスにあたってくれたのは、副店長の東野健司さん。「iPhoneを修理したいんですが……」と告げると、手慣れた様子でてきぱきと対応してくれた。
まずは「免責事項」について説明を受ける。
この内容については、後ほど説明しよう。続いて壊れてしまったiPhoneを差し出す。
見ての通り、フロントパネルがバキバキに割れてしまっている……。東野さん曰く、これは「重傷」なのだという。
同店では、修理の値段を破損の程度と機種によって細かく段階分けしており、たとえば液晶部分以外のガラス面にヒビが入った程度なら「軽傷」。液晶部分まで損傷してしまうと「重傷」となる。今回は「iPhone 5」の「重傷」なので、フロントパネルの交換となり、お値段は税込7,000円だ。レジカウンターの奥にはフロントパネルの交換修理メニューの料金表が掲示されている。
まさに明朗会計だ。
東野さんのカウンセリングにより、「重傷」と診断されたiPhone 5。さっそく修理してもらうことにした。
と、東野さんが工具を取り出し、カウンターの上で作業を始めたではないか。えっ、もしかして、ここで修理するんですか?
東野 「はい。店舗の奥で修理するのが普通なのかもしれませんが、iPhoneはお客様の個人情報が入っている大切な端末です。もちろん、修理において個人情報が出るようなことは一切ありませんが、お客様の中には心配される方もいます。そのお気持ちはよくわかるので、当店では店頭のカウンターでオープンに修理を行っています」
そう、これこそがSHOWCASE秋葉原のこだわりなのだ。
たしかにiPhoneを人に預けるというのは、ちょっと気が引けることではある。たとえ"ちょっとした不安"であっても、しっかりと取り除いてくれるのは、ユーザー目線を何より大切にしている同店舗ならではだろう。もちろん、お客さんは作業を見ていなくてもいい。修理が終わるまでの間、店舗内で商品を見ていてもいいし、外で時間をつぶしてもいい。仮に見られていなくても、作業はすべてカウンターで行われる。
感心しているうちに、どんどんiPhoneの修理が進んでいく。
フロントパネルを外し、慎重にカメラモジュールとホームボタンを取り外す。当たり前といえば当たり前だが、iPhoneの中身を見る機会はそうそうないので、思わずじっくりと眺めてしまった。
へ~こんな風になっているのか。それにしても……。
東野 「バッテリーが大きくて驚いたでしょう?(笑)」
おっと、思っていたことを先に東野さんに言われてしまった。そうなのだ、iPhoneの筐体スペースのほとんどはバッテリーに割かれていることに驚いてしまった。
東野 「バッテリーの不調で来店される方も多いですよ。その場合は交換になります」
カメラモジュールとホームボタン、その他のパーツを新しいフロントパネルに手早く付け替えながらそう教えてくれた東野さん。たしかにバッテリーは何年も使っているとどんどんへたってくる。
となると、気になるのは「iPhoneにはどういう不調が多いのか」ということ。
これまでに数多くのiPhoneを修理してきた東野さんの経験上、どんな症状が多かったのだろうか。
「ダントツで多いのは、やはりフロントパネルの破損ですね。次にバッテリー。減りが早くなったり、残量があるはずなのに急にバッテリーが落ちたりします。ほかには、電源ボタンやドックの反応がないというパターンもあります。だいたいこの4つですね」
一度に複数の破損があるiPhoneも?
東野 「ありますね。たとえばバッテリーが膨らんでしまって、それがフロントパネルを押し上げてしまい、割れてしまうというケースがあります。この場合はフロントパネルとバッテリー、両方の交換になるのですが、当店では2箇所以上を同時に修理する場合、割引になる場合があります」
バッテリーとフロントパネルが一斉にダメになるとは、できれば御免こうむりたい状況だが、価格が割引になるのは嬉しい。
落ちたテンションもちょっとだけ上がるというものだ。
東野 「一度だけですが、くの字に折れ曲がったiPhoneを修理したことがあります。車のドアに挟んでしまったとのことでしたが、何とそんな状態でも普通に動いていたんですよ。これには驚きましたね」
なんと、そんなことがあるのか。くの字に曲がるのもすごいが、それでも動いていたというのがすさまじい。iPhoneの神秘だ。
そんな話をしている間に、破損したフロントパネルが取り付けられ、iPhone 5がすっかり元通りになった。って、直すの早くないですか?
東野 「破損の程度にもよりますが、フロントパネルの交換修理でしたら30~40分あれば完了します。
たった半日だったとしても、iPhoneが使えないと不便ですから、当店では出来る限り早い修理を心がけています」
たしかに、iPhoneを預けて「明日来てください」では困る。いまやiPhoneは生活必需品。少なくともその日には使えるようにしてほしい。破損させておいて贅沢言うなといわれそうではあるが、それがユーザーの本音ではないだろうか。そのあたりの心理をよくわかって対応してくれるのはとてもありがたい。
なお、これは同店に限った話ではないが、修理する上でいくつか知っておくべきことがある。
一つは、正規の修理サービス以外で修理すると、Appleやキャリアの保証は受けられなくなるという点だ。
それから、水濡れや基板破損がある場合、修理できないという可能性もある。また、基板自体に破損がある場合は、電源がつかなくなることも考えられる。このあたりは一度、筐体を開いて中をチェックしないとわからない部分ではあるが、さすがにどうしようもないケースがあるということは覚えておこう。
なお、これらについて、SHOWCASEでは、冒頭に書いた「免責事項」の説明時に詳しく教えてもらえる。
ただ、そうした注意点を差し引いても、持ち込んでからわずか30~40分という短時間で修理してもらえて、なおかつ目の前で作業を見ることができる安心感は魅力的だ。
安心と信頼が売りのSHOWCASEでは、安心して修理を頼めるのはもちろんのこと、修理代金は相場よりかなり低めに抑えられていて、地域最安値を目指してるとのことだ。iPhoneを壊さないに越したことはないが、もし壊れてしまったら、SHOWCASE秋葉原に持ち込んでみてほしい。