脊髄小脳失調症6型の悪化に脳内免疫システムが関与 - 東京医科歯科大
同成果は東京医科歯科大学脳統合機能研究センターの渡瀬啓 准教授と相川知徳 特任助教の研究グループによるもので、国際科学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。
脊髄小脳失調症は、アルツハイマー病、パーキンソン病に次いで患者数が多い神経変性疾患で、現在のところ有効な治療法は確立されていない。今回研究の対象となったSCA6は日本で最も患者数の多い優性遺伝性の脊髄小脳失調症の1つとして知られている。
同研究グループは、プルキンエ細胞と呼ばれる小脳の神経細胞がSCA6で変性に陥る機構を解明するため、SCA6モデルマウスの小脳の遺伝子発現状況を網羅的に解析。その結果、SCA6モデルマウスではプルキンエ細胞変性が確認できるより前に、脳内の免疫系を担うミクログリア細胞が活性化していることを突き止めた。
ミクログリアは神経組織が傷害を受けると活性化するが、その際、神経細胞傷害的なタイプと、神経細胞保護的なタイプ、さらにそれらの中間的な状態となりうることが知られている。活性化したミクログリアはある特定のToll様受容体(TLR)タンパクを発現しており、同研究グループはTLRシグナルがミクログリアを活性化していると予想。
TLRシグナルの伝達を仲介する分子MyD88の遺伝子を欠損させたマウスとSCRモデルマウスを交配させ、ミクログリアの活性化を抑制を試みたところ、作成した2重変異マウスではプルキンエ細胞変性が抑制され、SCA6の症状が改善されていた。これらの結果から、SCA6モデルマウスでは、神経細胞傷害的なタイプが有意に活性化されており、プルキンエ細胞変性を悪化させていることが示唆された。
今回の研究成果はTLRシグナルの機能を阻害することで、この病気の初期の病態を軽減できる可能性を示すものとなった。製薬企業などによって、TLRの機能を抑制する小分子化合物の開発が進められており、今後それらの化合物をSCA6モデルマウスへ投与する検証実験を通して、有効な治療法の開発につながることが期待される。
この記事もおすすめ
提供元の記事
関連リンク
-
「鉄腕DASH終わらない」日テレ断言の裏で“後継番組の検討”報道…深まる城島・松岡との溝に関係者は「もう無理」
-
「普通にイケオジ」山里亮太 “別人級”姿にネット衝撃…目撃していた妻・蒼井優と結婚直後の”ノーメガネ”なデレデレデート姿
-
new
福原愛に3億円を無利息で融資…訪日客減少で後ろ盾の“やり手”社長の中国ビジネスに迫る危機
-
new
義母「…あれは、女の匂いよ」夫の浮気を疑う義母!?数日後⇒徹底的に【証拠】を集めて夫を問い詰めた話
-
GENERATIONSのヴォーカル・数原龍友のソロ公演『KAZ Billboard Live 2025-2026 ”Sweet Dreams”』の公演限定グッズを発売!