愛あるセレクトをしたいママのみかた

キヤノン「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」技術説明会 - 人気写真家の米美知子氏が高解像モンスターを語る

マイナビニュース
キヤノン「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」技術説明会 - 人気写真家の米美知子氏が高解像モンスターを語る
●5,060万画素の実力を引き出すために
キヤノンの最新デジタル一眼レフカメラ「EOS 5Ds」と「EOS 5Ds R」が6月18日から販売開始された。その翌日、報道関係者に向けた技術説明会が、「EOS開発思想・EOS 5Ds製品概要説明」「EOS 5Dsの技術説明」、写真家・米美知子氏による「製品レビュー」の3部構成で行われた。

○5,060万画素の実力を引き出すために

説明会ではまず、キヤノン イメージコミュニケーション事業本部 ICP第二事業部 副事業部長である大原経昌氏が登壇した。大原氏はEOSの開発思想について、EOS(Electro Optical System)は常に将来性を意識した製品であり、「快速・快適・高画質」をキーワードに、手持ちでどこでもキレイに撮影できるカメラとして開発していると述べた

また、今回発売したEOS 5DsおよびEOS 5Ds Rは、5,060万画素という極めて高精細なセンサーを搭載。さらに、2基のDIGIC 6や新開発のミラー振動制御システムを投入するなど、センサーの性能を最大限引き出せるよう設計しており、その内部はEOS 5D Mark IIIとはまったく別物であるという。

次に、キヤノン イメージコミュニケーション事業本部 ICP第二開発センター 上席担当部長である松本俊郎氏が、EOS 5DsおよびEOS 5Ds Rにおける技術について解説した。

EOS 5DsとEOS 5Ds Rは、EOS 5D Mark IIIの2,230万画素に対し、2倍以上である5,060万画素のセンサーを搭載しているため、そのセンサーのパフォーマンスを引き出すべく、新しい技術を惜しげなく投入している。圧倒的な情報量を瞬時に処理するために、画像エンジンを「デュアル DIGIC 6」構成にしたのもそうであるが、一番注目すべき点はミラー制御システムである。


従来まではバネの力でミラーアップ/ダウンをさせていたのだが、EOS 5Dsではモーターとカムでミラーを動かす方法に変更。これにより、ミラーがストッパー材にぶつかって発生していた衝撃を抑えることに成功している。また、シャッターも羽根が走行する時に振動が起きるが、そちらも超ジュラルミン材を用いるなどして抑制しているそうだ。「数値は公表できないので、あくまでイメージとしてですが……」と松本氏が前置きした上で語ったところによると、EOS 5DsはEOS 5D Mark IIIと比べて画素ピッチが細かくなっているので同じ振動でもズレ幅が大きくなるため、振動を約3分の2に抑えなくては高画質を維持できない。そこで、上記のようにカメラ全体の剛性や仕組み抜本的に見直して振動を抑制、その結果として振動ブレをEOS 5D Mark IIIの半分くらいに抑えることができたそうだ。

とにかく、「振動対策を徹底的に!」と語っていたのが印象的だった。

●米美知子氏が語るEOS 5Ds Rの使用感
○米美知子氏が語るEOS 5Ds Rの使用感

最後に登壇したのは、スペシャルゲストとして呼ばれた風景写真家の米美知子氏。EOS 5Ds Rを持って現場でどう撮ったのか、どう優れているのかを使用感を含めて語ってくれた。


「ブレは大丈夫でしたか?」

EOS 5Ds Rを使って、キャノンの担当者や雑誌編集者に真っ先に聞かれたのはブレについて。普段からジッツォの3型の三脚にハスキーの雲台をのせて、シャッターはミラーアップしてレリーズを使うといったスタイルだったので、そのあたりはほとんど気にならなかったそうだ。

「普段から三脚を使って、レリーズを使って、風がやむのをまって、足場を気にして撮っている人であれば大丈夫」とのことで、しっかりと固定されていれば過度な心配は必要ないと言えるようだ。米氏自身も今までの撮影スタイルを変えることなく、EOS 5D Mark IIIで撮影していた時と同様に扱えたとのこと。

新機能である「レリーズタイミング設定」も試し、「1秒後に撮影」を多くの場面で用いたそうだ。2秒だと風が吹いているときに現状が変わってしまうので、あえて1秒の設定にしたとの話で、この機能があることで、ブレに関してはより軽減できているのではないかと述べた。

作品を前にして解像感についても語ってくれた。米氏はパンフォーカス表現が好きなので、絞りをF16に設定して撮ることが多いそうだ。


実際に5Ds Rで撮影してみると、その解像度に驚きを隠せなかったという。従来のカメラでも手前のピントを合わせた部分は十分高解像でキレイなのだが、背景の木とか、奥行き感が克明に描写され、後ろがあいまいにならない、絞ったら絞り込んだだけのパンフォーカス表現ができるようになって、自分の中ではいたく感動したと語った。ただ、解像度が高い分、データが重くなってしまうのはいたしかたないところ。PCで現像する際、何かアクションを起こすと待たされることが多いとも。米氏のPC環境はそれほどハイスペックではないので、時間がかかる際はほかの部屋に行ってみたり、髪の毛を直したり、化粧したりと、イライラしないように時間を有効活用したそうだ。それらをふまえて、現像に使うPC環境をきちんと整えてあげないとストレスを感じてしまうであろうとのことだ。

絞ることで避けられない回折については、それほど怖がらずに撮影してもらいたいとのこと。やはり、F16とF11とF8とでは背景が違ってくるので、その背景に関しては自分がどう表現したいのか、どこまでディテールを見せたいのか、色だけにするのか、といったように表現を選べるよう、自身も怖がらずに絞り込んでいるそうだ。


また、キヤノンのRAW現像ソフト「DPP (Digital Photo Professional)」のデジタルレンズオプティマイザ機能を使うことで、光学的な各種の収差や回折を補正してくれるので、皆さんもぜひ使ってくださいとのことだ。ただし、こちらの機能もPCへの負荷が大きいので、ここぞというときに使っているそうだ。
感度に関して、実際の撮影では基本的にISO400、もしくはISO200を使い、風が吹いているときはISO800にしていたそうだ。また、暗いからといって感度を上げるのではなく、三脚でしっかりと固定して、じっくりと光量をかせぐことでスローシャッターな表現もできるし、解像感のあるよい写真も撮れるので、丁寧な撮影を心がけてほしいと語った。

最後に、米氏の感想ではボディデザインはEOS 5D Mark IIIとそれほど変わらないが、中身はまったくの別物でモンスターなカメラ。このカメラのよさを最大限表現するためにも、「印刷所の人にも頑張ってもらいたいと思うのと同時に、丸投げではなく、自分自身も色校正をしっかりとして、データを渡すときにも色見本をつけて、最後誌面でよさを伝えられれば」と語っていたのが印象的だった。

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード