パナソニックと富士通、高齢者の居住空間向け見守りサービスの共同実証
実証実験では、クラウド・サービス対応型エアコンにより部屋の温湿度を始めとする住空間情報を、非接触型生体センサーにより入居者の睡眠状態や在・不在状態などの生活情報を検知。
これらの入居者のリアルタイムな住空間情報と生活情報をパナソニックの見守りシステムに集約し、介護職員に提供すると共に、個人ごとの生活パターンに合わせた、在室時の熱中症危険温度や睡眠中の高頻度な覚醒といったアラート通知の実現を目指すという。さらに、介護職員が入居者の生活状態に応じて空調を遠隔制御する仕組みの実証も行う。
これにより、遠隔からの状態把握と空調管理を実現し、安否確認業務の負担軽減と、入居者やその家族にとって安心・安全な住空間作りに貢献するとしている。
実証実験のシステムではまず、パナソニックのクラウド・サービス対応型エアコンで部屋の温湿度情報を取得し、同社の見守りシステムにデータを収集する。
富士通研究所が開発した非接触型生体センシング技術を活用したセンサーは、マイクロ波レーダーの照射により3m範囲の微細な体動量を検知できるという。収集した体動量データを富士通のクラウド上にて生体情報分析を行い、入居者の在・不在や睡眠・覚醒状態のデータを抽出し、パナソニックの見守りシステムに提供する。
パナソニックの見守りシステムに集約したデータは入居者の生活情報として、介護職員がモニター上で確認できる。また、入居者ごとにアラートの閾値を設定した上で、例えば、在室時の熱中症危険温度や睡眠中の高頻度な覚醒状態などを検知し、個人の生活パターンに合わせたアラート通知を実現するという。さらに、入居者の生活状態に応じて空調を自動制御する仕組みも提供するとのこと。
両社が持つ技術の融合により、介護職員の巡回支援に頼らない入居者も含めて、入居者個人ごとの状態把握と居住空間管理を実現するとしている。両社は今回の実証実験を通じて、パナソニック・グループが運営するサービス付き高齢者向け住宅において受容性・効果検証を行った後、2016年度中にサービス提供を目指すとのことだ。
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