Appleは「プライバシー」をGoogleとの差別化要因に - 松村太郎のApple先読み・深読み
●プライバシーは知りたくない
「WWDC15」の基調講演で、同じスライドが2度表示された。それはグレーの背景に白い手の平がこちらに向けられているアイコンが用いられた「プライバシー」のスライドだ。Appleはプライバシーを、iOS 9をはじめとするあらゆるサービスやソフトウェアにおける、差別化要因にしようとしている。
○プライバシーに対するAppleの考え方
Appleは、クラウドにある、あなたのことを知るためのメールや写真、連絡先の情報に関知しない。正直なところ、知りたくないのだ――。
基調講演に立ったAppleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、Craig Federighiはこう述べた。そして、「すべてはあなたの管理下にある」(同氏)と。
Appleはデータを収集しないだけに留まらない。
もし、Siriが先回りしてウェブ検索などを行って情報を取得する場合、匿名でのウェブ利用を行うこと、またApple IDとこうしたデータを紐付けないことなどが謳われている。
また、Appleやサードパーティーが、そのアプリの情報を他のアプリで活用することはないとしている。サードパーティーの開発者に検索APIが提供され、SiriやSpotlightから検索できるようになるが、ユーザーの意向に沿わないデータの活用は行われないということだ。