写真で見る「MSI X99A GAMING 7」 - USB 3.1に対応した最新Intel X99マザーボード
MSIのゲーミングマザーボード「X99A GAMING 7」は、Intel X99チップセットを搭載したハイエンドプラットフォーム向け製品で、8コア/16スレッドのHaswell-Eを搭載できることはもちろん、M.2やSATA Expressといったストレージインターフェースにも対応している点が特徴だ。そしてさらに、最新インターフェースとして、USB 3.1にも対応している。今回は、写真を中心に各部を見ていこう。
●最新インターフェースと各種ゲーミング向け機能をフル装備
○最新インターフェースと各種ゲーミング向け機能をフル装備
Intel X99 Expressチップセットを搭載したマザーボードは、ハイエンドモデルということもあり、E-ATX製品が多いが、X99A GAMING 7はATX規格に収まっており、ほかの製品と比べればケースとの相性に悩まされることが少ないだろう。
MSIのゲーミング製品は、黒をベースにアクセントとして赤を加えたカラーリングが施されているが、X99A GAMING 7もそれに習う。チップセットヒートシンクに龍のエンブレムをあしらっている。
バックパネルには、目玉機能の筆頭であるUSB 3.1ポートが有る。USB 3.0および3.1ともにUSBチャージ対応ポートということで、どちらも赤いポートになってしまっているが、端子のシールド上にUSB 3.1対応を示すシールが貼られている。
写真では左から順に、黒いUSB 2.0ポート×2、赤いUSB 3.0ポート×4、赤いUSB 3.1ポート×2、そして赤いUSB 3.0ポート×2という並びだ。ほか、ゲーミングマザー用の仕様としてPS/2ポート、ゲーミング用として開発されたKiller製チップを採用するギガビットイーサネットポート、HDオーディオの各種端子と、CMOSクリアスイッチが搭載されている。
なお、PS/2ポートは「ゲーミング・デバイス・ポート」として、端子に通常よりも厚い金メッキを施しているほか、抜き差しの耐久性を従来比で10倍高めているという。
拡張スロットは、PCI Express x16スロットが4本、PCI Express x1スロットが2本となる。PCI Express x16スロットのマルチGPU時のレーン数は、40レーンをサポートするCPUを組み合わせた場合、1-wayでx16/-/-/-、2-wayでx16/x16/-/-、3-way時がx16/x16/-/x8。28レーン対応CPUの場合は2-way時がx16/x8/-/-、3-way時がx8/x8/x8/-となる。
40レーン対応CPUで3-wayを組む場合、マザーボード最下段にあるPCI Express x16#4スロットを利用することになるので、ケース側の拡張ブラケットが+1本余計にあることが前提となる。
CPUソケット周りの電源回路は、8フェーズ構成となっている。
採用パーツは、高効率なHi-C CAP、スーパーフェライトチョーク、低ESRで耐久性であるMTBF値が10年以上というDARK CAPなど。ミリタリークラス4準拠のコンポーネントたちだ。
ゲーミング向けの製品ではあるが、オーバークロック機能も充実している。BCLKを定格の100MHzのほか125MHz、167MHzに切り替え可能な「OCエンジン」を搭載するほか、MSIのハイエンドからミドルレンジマザーボードでおなじみの「OC GENIE」を搭載することで簡単にオーバークロックができる。また、ソフトウェア上からは「GAMING APP」により、用途別にOC Mode、Gaming Mode、Silent Modeをボタンひとつで切り替え可能だ。
ストレージも充実している。まずSATAポートは全部で10基搭載している。うち、6ポートはRAIDに対応、4ポートはRAID非対応となる。
8ポートは一列に並んでおり、もう2ポートはSATA Expressと共用となる。ほか、M.2も1基搭載しており、こちらは前世代のPCI Express(2.0) x2接続(10Gb/s)ではなくPCI Express(3.0) x4接続(32Gb/s)の「TURBO M.2」仕様だ。長さの規格として、2242/2260/2280の3タイプをサポートする。
●豊富な機能を備えながら、X99マザーボードとしてはお手頃なモデル
○オーディオ機能も充実
最近のゲーミングマザーを選ぶうえで、ポイントとなるのがオーディオ機能だろう。マザーボードメーカー各社がいま最も力を入れている部分だ。心臓部を見ると、オーディオチップはRealtek ALC1150で、これにCreativeのSound Blaster Cinema 2を採用している。また、オーディオチップはEMIシールドでガードされている。
回路部を見ると、出力側では専用のヘッドホンアンプチップを搭載し、そこにオーディオ設計のニチコン製コンデンサを組み合わせ、最後のバックパネル端子には金メッキを施すといった内容だ。
また、現行マザーボードのトレンドである、マザーボード回路とオーディオ回路を分離するグラウンドラインを設けており、さらに電源ユニットの4ピンペリフェラルからオーディオ用の電源を取得する「ダイレクト・オーディオ・パワー」を採用している。
一方で、オーディオはオンボードではなく外部のDACから再生したいというハイエンドユーザー向けには、「USBオーディオパワー」機能を搭載している。これは、ATX24ピン電源の+12Vから変換チップを介して直接USB用の+5V電源を安定供給する機能だ。ゲームをプレイする際など、負荷によって電圧が変動する場合でもUSBから安定した電源が供給できるというのが同社の主張だ。
ゲーミングマザーでもうひとつ重要なネットワーク機能については、Killer E2205チップを採用している。Killerは、ゲーム専用に設計されたネットワークチップで、ゲーム本体の実行ファイルなど特定のアプリケーションに、ネットワークトラフィックを優先して割り当てることなどが可能だ。
○これだけ多機能でも(Intel X99 Expressで見れば)価格はメインストリーム
MSI X99A GAMING 7は、Intel X99 Expressチップセット搭載マザーボードとしては2015年半ばに差し掛かってから販売された第2世代製品群に入る。各種の最新インターフェースを搭載しつつ、価格は3万円代半ば。
多機能なゲーミングモデルでありながら、Intel X99 Express搭載マザーボードとしてはメインストリーム価格帯に収まっている。LGA2011v3のハイエンドゲーミングPCを求め、かつUSB 3.1という最新インターフェースをいち早く使ってみたいという方には、比較的安価なモデルといえるだろう。