エジプト労働記 (56) ともに熱く!!
【「何か」で一儲け!?】
いつもより会社を出るのが遅くなったある日。帰りの地下鉄はちょっとすいていました。「ラッキー、座って帰れる」と、腰をおろしてホッと一息ついたのもつかの間。
横からあつーーーーい視線を感じます。隣のお姉さんが私のことをすっごい見てる……!!!
外国人を珍しく思ったのでしょうか。とは言え、ドキドキするほど直視してくるので、なんだろう? と不安にかられます。
どうするどうする…と思っていたところ、その女性は期待をこめたまなざしを向けたまま、明るい声で私に話しかけてきました。
「ねぇ、あなた! 一緒に何かものを売らない!!?」
ええええええええええええ。ま、まさかの、スカウト!!!???
「物を売らない?」って、この人は、私のことを訪問販売で有名な国の人だと完全に勘違いしている…っ!! しかも「何か」ってすごい見切り発車…!! 一体何を売らせる気なのか…!?
せっかく(?)のお誘いでしたが、さすがに訪問販売の仕事の経験はありません。その上、「何か」をうまく売りさばく自信もなかったので、丁重にお断りさせていただきました。
おろぐちともこ
大学時代古代エジプトを勉強していたためエジプトの地を踏むこと6回。7回目に踏み入れた2011年より数年間エジプトで働く。現在はエジプト人による日本語雑誌を中心に、漫画を描いたりアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。
生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。