アニメ制作におけるデジタル作画のメリットは? - アニメ業界の現状と課題の解決に向けて
現在はここにCG生成技術の「自動生成」やIT技術の「クラウド」といった他分野の技術も加わり、さまざまなスタイルが選べるようになってきたのだという。
こうした過去の技術を知ることで、未来を正確に予測することができる。このことを三上氏は「未来は現在と過去のカーブの先に」という言葉で表現する。
三上氏は講演の中で、過去から現在に至るまでの技術の変化のターニングポイントを知ることで、将来のあり方を考えることができると述べている。過去に進んだデジタル化は作画のデジタル化の将来に大きなヒントを示していると述べた。
○アナログ手法がメインの「作画」、デジタル化の障壁は
では今後、作画のデジタル化はどう進むのか。アニメーション制作はおおまかに「作画」「美術」「仕上げ」の3つに分類されるが、現在、「仕上げ」はほぼデジタル化が完了しており、「美術」もタブレットでペイントしていくスタイルが主流となっている。
一方で「作画」については、ようやくタブレットの普及が加速し始めた段階で、デジタル化の普及はまだこれから。
三上氏は「きちんとしたメリットがあるなら、100%に近い形で作画がデジタルに変わることもありうる」