湘南ベルマーレが見せた、J1を世界基準に引き上げるための「走り」への決意
3位に入ったサンフレッチェ広島は総走行距離で13位、スプリント総数に至っては17位だった。
テクニックと老かいさ、そして必要最低限の場面でのみ全力疾走する要領のよさがあれば上位を争える。そうした傾向を目の当たりにして、2012年の就任時から貫いてきた「湘南スタイル」に対するチョウ監督の矜持(きょうじ)はさらに強まった。
「ならば我々が走るのをやめるのか、縦への推進力をなくすのかと言えば、そういう訳にはいかない」。
○因縁のグランパス戦で示したアイデンティティー
ファーストステージで喫した7敗のうち、もっとも悔しかった黒星は5月2日、0対3で完敗した敵地でのグランパス戦となるだろう。
ベルマーレがペースを握りかけながら、たったひとつのミスからカウンターを許してあっさりと先制点を献上。取り返そうと前掛かりになった背後を突かれては失点を重ねた。
何よりも納得がいかないのが、ボールを失っても自陣へ戻らない、いわゆる「攻め残っていた」グランパスの選手たちにかき乱されたこと。
ファーストステージにおけるグランパスは、総走行距離が最下位だったのに対してスプリント総数が3位だった。
典型的な「省エネスタイル」