湘南ベルマーレが見せた、J1を世界基準に引き上げるための「走り」への決意
に屈したことが、逆に自分たちのアイデンティティーを見つめ直すきっかけになった。チョウ監督が力を込める。
「チャンスだと思えばゴールへ向かい、ピンチになればFWの選手も戻る。これがサッカーの醍醐味(だいごみ)であり、そこには戦術もへったくれもない。そうしたプレーをさぼって、走行距離が少ないチームが勝つようになれば、選手の潜在能力をどのように引き出していけばいいのかと、指導者は困ってしまう」。
果たして、因縁の再戦は2対1でベルマーレが制した。走行距離で112.88km対105.93km、スプリント回数で172対121と大差をつけての、スコア以上の"快勝"だった。
○ベルマーレのスタイルをJリーグのスタンダードへ
後半19分に、結果的に決勝点となる2点目をダイビングヘッドで決めたのはFW高山薫。
3月14日の鹿島アントラーズ戦で、ファーストステージ全体での最長記録となる13.67kmを走破しているタフガイは「まだまだこれから」と不敵に笑う。「どちらにしてもオレはうまい選手じゃないし、1年目から“走るキャラ”でプレーしてきた。ファーストステージで10位だったからダメだと思われているだけ。オレたちが結果を出せばいい」。