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日立のルームエアコン「白くまくん」のこだわりを追う - 気流の通り道を見つけて効率的に涼しく

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日立のルームエアコン「白くまくん」のこだわりを追う - 気流の通り道を見つけて効率的に涼しく
●部屋全体を涼しくするエアコンを作りたい
日立アプライアンスのルームエアコン「ステンレス・クリーン 白くまくん Xシリーズ」は、新たに搭載した「くらしカメラ 3D」により、人や家具の場所、温度などを検知。気流の通り道を判断し、冷風を効率よく循環させるのが特徴だ。家具が気流を遮ってしまうという従来の課題を解決することで、快適な空調を実現する。白くまくん Xシリーズのこだわりを追ってみた。

○日本のリビングの問題点から考えた

日立アプライアンスは2015年度モデルのエアコン開発において、まずは原点に立ち返ることからスタートした。

「暖房時には足もとが暖まらない、冷房時には部屋全体が涼しくならない。こうした日本のリビングが抱える空調の問題をどう解決するか。そこから議論を開始した」と、日立アプライアンス 空調事業部 ルームエアコン統括本部 ルームエアコン営業企画部担当部長の木村士良氏は語る。


先の問いに対して日立アプライアンスが出した回答は、「気流の通り道」を発見するということであった。センサーによって室内を立体的に捉え、気流を部屋全体に循環させるための通り道を見つけることで、夏は部屋全体を涼しく、冬は足もとを暖かくできることを目指したのだ。

日立アプライアンスの木村氏は、「日本のリビングに最適化した空調を実現できるエアコンが完成した」と胸を張る。これは、同社が過去2年の製品で取り組んできた「くらしカメラ」の進化によって実現したものだ。

2012年秋に発売した2013年度モデルは、初代くらしカメラを搭載。「画像カメラ」によって、人の数や位置、日差しを検知することで、快適な空間と節電運転を実現。2014年度モデルでは、画像カメラの性能向上に加えて、人のいるエリアや周囲温度まで検知する「温度カメラ」を追加した「くらしカメラ ツイン」へと進化した。人がいるエリアで暖めすぎなどの無駄を見つけ、すばやく節電できるようになった。


●どうやって「気流の通り道」を見つけるか?
○部屋を3Dで認識できるように

くらしカメラ、くらしカメラ ツインに続く第3世代となるのが、今回の「くらしカメラ 3D」である。くらしカメラ 3Dは、これまでの画像カメラ、温度カメラに加えて、ソファやテーブルといった家具の位置や形状を見ることができる「ものカメラ」を搭載。これによって、部屋を立体的に捉えて、気流の通り道を見つけ出せるようになったという。3Dという名称は、室内を立体的に捉えることを示すとともに、画像カメラ、温度カメラ、ものカメラの3つの「カメラ」を使用していることを表すそうだ。

「特に首都圏のマンションや一戸建てに多いが、日本ではリビングとダイニングがつながった間取りがよく見られ、ソファーやテーブルで区切るというレイアウトをしているケースが多々ある。

そのため、ソファーやテーブルなどに気流が当たって、冷気だまりができ、夏場は部屋全体が涼しくならない、あるいは冬場は足もとが暖かくならないといった問題が生じていた。画像カメラと温度カメラに、ものカメラを加えることで、新しいXシリーズは部屋を立体的に捉え、気流を遠くまで届けられる道を発見する。このくらしカメラ 3Dが、日本のリビングにあわせた気流の制御を可能にした」と語る。


くらしカメラ 3Dの開発のために、社員宅のリビングの様子を撮影して持ち寄ることで、リビングにおける家具などの配置についても研究。日立研究所が蓄積してきた赤外線技術などを活用し、部屋の形状や家具配置にかかわらず、気流の通り道を見つけ出せるようになったという。

さらに、リビングの隣に和室などがつながっている間取りも多いことから、続いている部屋にも気流を送ることを考えた。そこで、7m先までの状況を把握できる「新・間取りサーチ」により、隣の部屋まで涼しくできる機能を追加。これは他社にはない、日立だけの機能だ。

また、家具の細かな配置変更や、大規模な模様替えなどにも対応できるように、ものカメラは12時間ごとに部屋の状況を確認。さらに人の位置を確認するために、画像カメラが向きを変えて、40秒ごとに、左右および正面の状況を確認。120秒で3つの方向をすべて把握し、最適な気流の通り道を随時探し出す。


○効率よく気流を送る「3分割フロントフラップ」

くらしカメラ 3Dが見つけた通り道で、気流を送るのが、新たに採用した「3分割フロントフラップ」だ。それぞれに独立した3枚のフラップが、通り道にきめ細かく制御した気流を送ることで、冬は足もとを暖かく、夏は人のいるエリアを中心に、冷風を効率よく循環させ、部屋全体を涼しくする。

3分割にしたのは、家族構成の平均人数が3人であることを反映している。リビングに3人がバラバラの位置にいても、遠いところから近いところまで、それぞれの位置を捉えて、独立したフラップにより、最適な気流を送るのだ。

なお、暖房運転時には、「くらしカメラ 3D」と「3分割フロントフラップ」によって足もと付近からしっかり暖める「ゆか暖」機能を実現。在室者の足もと付近をめがけて暖房運転を行い、足もと付近の温度を約36℃までしっかりと暖める。

●寝苦しい夜も「朝までぐっすり」
○寝返りを検知して自動運転

もうひとつ、白くまくん Xシリーズでこだわったのが、「みはっておやすみタイマー」の搭載である。これは従来の「おやすみタイマー」を進化させたもので、暑くて寝苦しい夜などに適した機能だ。


日立アプライアンスの木村氏は、自らの体験をもとに次のように語る。

「暑い夜は寝るときに30分で切れるようタイマーを設定する。しかし、エアコンが切れると暑くて起きてしまい、またタイマー設定をして寝る、という繰り返しになることがしばしば。結局、朝起きても寝不足状態という経験を多くの人が持っているのではないか。みはっておやすみタイマーは、室温の上昇だけでなく寝返りも感知して、エアコンを再運転させることで、より快適な空間を実現でき、朝までぐっすりと眠れる」

室温が1.5℃上昇すると再運転する一方で、くらしカメラ 3Dによって、大きな寝返りを見張る。室温が1.5℃上昇していなくても、寝返りの頻度が多いと運転を再開する。

日立アプライアンスの木村氏は、「寝返りの理由には諸説あるが、そのひとつに、背中側の熱気を放出するためというものがある。実際に寝苦しい夜には頻繁に寝返りをうつことがわかった。
寝返りの頻度によって再運転することで、快適な温度をキープできる」とする。

実は、木村氏自らが実験台となり、研究室に2回泊まり込んだ。1回目は快適な室温で就寝。もう1回は、温度と湿度が高い、寝苦しい室温環境で就寝するという実験だ。その様子をビデオで撮影し、寝苦しさと寝返りの関係を実証、その結果をもとに、みはっておやすみタイマーが実現したのだ。

○研究の末に生まれた新モデル

こうした数々の研究成果や新たな機能、こだわりをもって開発した2015年モデルの白くまくん Xシリーズの特徴を、木村氏は「日本のリビングに、最も適したエアコン」と位置づける。確かに、気流の通り道を見つけるくらしカメラ 3Dは、リビングの構造や家具の配置、リビングの使い方などの特徴を反映し、快適な空間を実現するためのアイデアだ。くらしカメラ 3Dだけでなく、3分割フロントフラップ、みはっておやすみタイマーの搭載も日本の家を研究しつくした結果によるものだといえよう。


暑い日々も寝苦しい夜も、日立の最新技術とそのこだわりによって実現した白くまくん Xシリーズがあれば乗り切れそうだ。

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