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リコーイメージング「GR II」実写レビュー - いわばデジタルカメラ界の十徳ナイフだ

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リコーイメージング「GR II」実写レビュー - いわばデジタルカメラ界の十徳ナイフだ
●GRにワイヤレスは必要か!?
初代GR DIGITALから数え、6世代目となる「GR II」が登場した。撮影ツールとしての洗練を約11年にわたって重ね、今回はワイヤレス機能を追加。現在のデジタルカメラ事情に足並みを揃えてきた。「GRにワイヤレスは必要か!?」と問う人もいるだろう。GRシリーズにとって、要不要はさして大きな問題ではない。必要とされたとき、その機能を即座に呼び出せること。それが万能を目指すものの宿命である。

○設計思想にブレはない

GR IIは従来機と同様、18.3mm・F2.8 (35mm判換算28mm相当) のGRレンズを搭載している。
APS-Cサイズの約1,620万画素イメージセンサーを搭載し、画像エンジンはGRエンジンVと、基本設計は従来機GRを踏襲している。

●Wi-FiとNFC機能、6種類のエフェクトモードを追加
○Wi-FiとNFC機能でスマートフォンやタブレットと連携

もっとも大きなちがいは、Wi-FiとNFC機能を搭載してワイヤレスに対応した点だ。リモート撮影ソフト「GR Remote」、画像転送ソフト「Image Sync」により、スマートフォンやタブレットとの連携が可能だ。GR Remoteはブラウザベースのアプリになっており、アプリ自体をダウンロード&インストールする手間がない。

昨今、デジタル画像の最終出力先はSNSであることが圧倒的に多い。プリントではなく、ブログやホームページでもなく、Twitter、Facebook、Instagramなど、SNSへの投稿が大半を占めるのではないか。硬派なGRシリーズにスマホ連携など不要、という人もいるかもしれないが、現代のデジタル画像のあり方には抗いようもない。そう考えたとき、道具としてワイヤレス機能を備えておくことは、もはや必然と言える。
いずれにしても、GR IIで撮った画像をパソコン経由でSNSにアップロードする手間を思えば、スマホ連携のアドバンテージは言うまでもないだろう。

○6種類のエフェクトモードを追加

もうひとつの大きな強化点はエフェクトモードのバリエーションだ。明瞭コントロール、光沢コントロール、HDR調、鮮やか、人物、雅 (MIYABI) の6種類がが追加され、側面のEffectボタンでメニューを呼び出し、モード変更できる。明瞭コントロールと光沢コントロールは、それぞれ「明瞭度」と「光沢度」の効き具合をスライドバーで調整可能だ。

エフェクトモードは撮影時に選択することも可能だが、お薦めはカメラ内RAW現像の活用だ。GR IIはカメラ内RAW現像でエフェクトモードが選択でき、さらに各モードの詳細設定も調整できる。撮影後にじっくりと絵を作り込めるわけだ。1枚のRAWデータから何枚でも現像できるので、いろいろなパターンを試せる。
カメラ側でじっくり仕上げ、ワイヤレスでスマートフォンに転送してSNSにアップ。パソコンを介さずデジタルフォトを自在に操る。そんなワークフローがGR IIからは見えてくる。

●まとめと作例
○まとめと作例

GR IIは新たにワイヤレス機能を搭載したが、外観は背が1.8mm高くなっただけだ。従来機と比べて軍艦部が盛り上がり、ここにWi-Fi機能を搭載している。ただそれも、その隆起した部分を指摘されなければ気づかない程度のものだ。

高画質コンパクトという軸に一切のブレはなく、従来スタイルのままハード的な機能を増やしてきた。これは初代GR DIGITALから続くスタンスのひとつだ。
いわばGRという器を変えることなく、機能が増えていく。十徳ナイフがそうであるように、すべての機能を使う必要はない。その都度必要な機能を呼び出し、使えばよい。ただし、道具として必要とされるであろう機能はもれなく用意しておく。GR IIのワイヤレス機能搭載は、そうした思想の現れと言えそうだ。

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