追い詰められた密室で明らかになる真実とは?! 『悪夢のエレベーター』 - iTunes Store 今週のブック 2015/07/31
○演劇人を魅了した人間描写と驚きの結末『悪夢のエレベーター』
今週のブックは、作家・脚本家であり、劇団「渋谷ニコルソンズ」を主宰する俳優でもある木下半太のデビュー作『悪夢のエレベーター』です。2006年にブログで発表された小説をもとに出版された作品で、その後2007年にテレビドラマ化、2008年に舞台化、さらに2009年には映画化、コミック化までされたという、デビュー作にして多数のメディアミックスを経た作品となりました。
物語は、気を失っていた主人公がエレベーターの中で目を覚ますところから始まります。気づけば見知らぬ3人の男女と狭い密室に閉じ込められ、外部とは通信不可。あやしい密室サスペンスに、テンポのいい大阪弁の会話、最初から何となく胡散臭い感じ……。
章ごとに視点を変え、浮き彫りになっていく人間性のウソとホントが面白いところs。ことの真相はどこにあるのか。最後まで一気に読み通したい作品です。
(作品紹介)
>> 木下半太の代表作である悪魔シリーズ。後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターに、ヤクザ、オカマ、自殺願望の女と閉じ込められていた。浮気相手の部屋から出てきたばかりなのに大ピンチ!? しかも、三人には犯罪歴があることまで発覚。精神的に追い詰められた密室で、ついに事件が起こる。意外な黒幕は誰だ?笑いと恐怖に満ちた傑作コメディサスペンス。
つながり作品
木下半太は『悪夢のドライブ』『悪夢の観覧車』『悪夢のギャンブルマンション』など、身近な場所を舞台にしたシリーズ作品を多数出版しています。最初と最後で登場人物の立場がガラッと変わるダイナミックな展開や、コメディがあるからこそ刺さってくるサスペンス要素に魅力を感じたら、こちらもオススメ。他作品の登場人物がちらっと顔を出すなど、続けて読むことでシリーズならではの面白さもあります。『悪夢のエレベーター』登場人物のその後が気になったら、続編の『奈落のエレベーター』をどうぞ!