2015年8月4日 13:31
大阪市立大、魚にも論理的思考力があると発表 - 戦わなくても力関係を推測
大阪市立大学はこのほど、カワスズメ科の熱帯魚「ジュリドクロミス」が論理的に思考できることを証明したと発表した。
同成果は同大学大学院理学研究科の幸田正典 教授らの研究グループによるもので、8月3日にスイスの生物学専門誌「Frontiers in Ecology and Evolution」オンライン版に掲載される。
魚類はこれまで、刺激に反応する行動や単純な学習は出来ても、「A>B かつB>C であればA>C である」といった論理的思考能力は持っていないと考えられてきた。
今回の研究は、個体識別能力があり、弱い個体が強い個体に対し劣位行動を示すことが判明している「ジュリドクロミス」を用いて行われた。まず、3匹の個体のうち2匹を戦わせ、勝った個体をB、負けた個体をCとした。次に、AとBを戦わせ、Aが勝つところをCに見せた。これにより、Cは力関係が「A>B」かつ「B>C」であることを把握することになる。もし、論理的思考ができていれば「A>C」と考えているはずであり、CをAに会わせたら、CはAと戦う前に劣位行動を示すことが予想された。
実際、AとCを別の水槽で出会わせたところ、12個体のCのうち11個体が劣位行動をとった。