2016年末のNokiaの携帯電話事業再参入、どのような製品が登場してくるか
Nokiaの携帯電話端末ビジネスからの撤退は2013年後半のMicrosoftへの事業売却(2014年4月に完了)にさかのぼるが、それから実質的にわずか1年での事業復帰決断ということになる。携帯電話事業を買収したMicrosoftはスマートフォン市場でのシェア拡大を目指すが、同分野はハイエンド端末の利益の大部分をAppleが得ており、残りもSamsungを始めとする大手がひしめき合っているなど、すでにローエンド市場での生き残りを模索するしかない状況で、最終的にMicrosoftは事業をリストラして端末ラインナップをハイエンドと普及価格帯の2種類へと絞り込み、主要市場以外からの撤退を決断するなど、非常に短い運命だった。
一方で、ネットワーク機器ビジネスに焦点を絞ったNokiaは、同業のライバルである仏Alcatel-Lucentの買収を今年2015年4月に発表しており、同分野での事業強化に加え、端末事業も持つAlcatel-Lucentを傘下に加えたことで携帯電話端末ビジネス再参入への布石を整えている。
端末事業としては、「Nokia N1」タブレットをリリースしたほか、つい先日には「OZO」というVRカメラを発表するなど、話題面でもそれなりの注目を集めている。こうしたNokiaの端末事業参入におけるポイントの1つは「少ないリスクでそれなりの効果を」という点だ。
まず、既存の技術者陣に加え、Alcatel-Lucent買収で強力なリソースを得ることが挙げられる。
将来的にNokia端末で利用することになるソフトウェア開発に向けてAndroid OSの技術者を数十人単位で募集するなど、ソフトウェア技術者拡充を行っているという。またReutersによれば、当初Alcatel-Lucent買収に伴い技術部門で7割近い人員をレイオフするとNokiaは説明していたが、この数字は最終的に半分程度の数字まで減らされたようだ。つまり、技術者を手放さずにそのままなるべく抱え込むことで、次の事業に向けた布石を打っているということになる。Nokia自身はMicrosoftへの端末事業売却を行っているが、過去に携帯電話事業で培ってきた多くの特許は依然としてそのまま保持しており、これが事業復帰における大きな強みになっている。
そして事業参入にあたってはハードウェアの開発製造を行う「ブランドライセンスのパートナー」を探し、これで端末開発の低コスト化やスピード化、提供地域の拡大を目指していく。例えばN1が典型だが、ハードウェア販売そのもので得られる利益こそ少ないものの、開発製造までを丸抱えするよりはリスクがはるかに少なく、製品が成功すればブランドの拡大につながる。このような形でブランド貸しによるロイヤリティ収入を得るビジネスモデルでパートナーとビジネスを拡大していく戦略だ。
特定地域以外では無名だが、実力のあるメーカーにとっては悪くない話だろう。
ただReutersでは、中国で小米(Xiaomi)などの新興メーカーがすでにブランドと実力を身につけていること、Nokia自体のブランドがすでに以前に比べて高くないという問題もあり、必ずしもこうした戦略が成功するかはわからないとしている。
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