山本美月、声へのコンプレックスとポケモン愛「"好き"と意識的にならなくても常にある、かけがいのないもの」
7月18日より公開されている『ポケットモンスター』の劇場版アニメ最新作『ポケモン・ザ・ムービーXY「光輪(リング)の超魔神 フーパ」同時上映「ピカチュウとポケモンおんがくたい」』。子供たちの夏休み映画の代名詞となっているポケモン映画は、今年で18作目。伝説のポケモン同士による史上もっとも壮絶なバトルが繰り広げられる長編と、可愛らしいポケモンが大集合する短編が同時上映され、先日にはシリーズの累計動員数が7,000万人を突破したことでも大きな話題となった。
今回の短編「ピカチュウとポケモンおんがくたい」では、モデルで女優の山本美月が、自身初となるアニメのナレーションに挑戦。さらには、本作の合唱シーンでリードボーカルを務め、山本の歌声とポケモンのかわいい鳴き(歌)声、さらにはヒューマンビートボックスならぬ"ポケモンビートボックス"が合わさり、この短編でしか聞くことができない珠玉の一曲「ガオガオ・オールスター」(Little Glee Monsters)のカバーにも挑んでいる。
ポケモン映画を家族で毎年観に行っており、「いつもそばにあったアニメだったので出演が決まりとてもうれしかったです」と出演を喜んでいた山本にとって、『ポケモン』はどのような存在だったのか。今回は本作の出演エピソードはもちろん、好きなポケモン映画、家族とポケモンの思い出について話を聞いた。
――今回短編「ピカチュウとポケモンおんがくたい」でナレーションとしてオファーを受けた時、率直にどのような感想をお持ちになりましたか。
第1作の短編「ピカチュウのなつやすみ」から家族と一緒に観ていたので、その作品にナ
レーションとして参加させていただけることが純粋にうれしかったです。家族も喜んでくれましたし、とりあえずゲームはクリアしておいた方がいいと言われました(笑)。
――子供たちが毎年楽しみにしている作品ですが、ナレーションは声優とも異なる立ち位置ですよね。
アフレコの際、音響監督からはポケモンに話しかけているというよりは「子供たちが目の前にいて、同調するような感じで演じるように」とアドバイスをいただいたので、そのあたりをかなり意識しましたね。
私は、声があまり高い方ではないので、子供たちに伝わるかどうか……心配な部分もありました。ですので、多少裏返ってもいいからなるべく高い声をだして、イントネーションも優しい語りかける感じにしています。
――歌も苦手ということですが、今回が初挑戦ということで。
カラオケに行っても周りの人と比べて、やっぱり下手だなって自分で感じるくらい苦手なんですよ……。
『CanCam』でも、"うさぎ女子"とかかわいい系の女子を演じているのに「声が意外と低い」っていう評判があったり、コンプレックスなんです。なので、収録でも1フレーズごとに「大丈夫でした?」と確認して、ギャーギャー言いながら収録していました(笑)。
――山本さんらしい、独特の雰囲気があると思いますよ。
そう言っていただけるとうれしいです。今回、ナレーションに呼んでいただいたことも声を認めてくれたようで、本当にうれしかったです。
――ナレーションという大役を終えられて、"声"のお仕事として得られたことは何でしょうか?
今回のお仕事は、ナレーションと言っても、お芝居も混ざっている感じですよね。演出などが入ることで、全然雰囲気が変わるんだなということを感じました。映像になじむ感じが本当に素敵で、スタッフの皆さんに本当に感謝しています。
――こうなるとナレーションはもちろん、本編へのオファーも期待したいですね。
ナレーションとして2回連続で出演されている方はいないので、難しいと思いますが、もしチャンスがあるならこんなにうれしいことはないです。本編……責任重大ですよね。オファーがあったら飛び上がっちゃうと思います。
●王道は『ミュウツーの逆襲』、セレビィやジラーチも好きでした
――完成した映画はいかがでしたか?
『ポケモン・ザ・ムービーXY「光輪(リング)の超魔神 フーパ」』は、伝説のポケモンたちがいっぱい出てきたのは圧巻でした。男の子たちは大喜びだろうなー。もうとにかくド迫力ですよ。ぜひ映画館で観ていただきたいですね。
――山本さんは、ご家族と一緒に小さい頃からポケモン映画を観られてきましたが、歴代のポケモン映画で、一番印象に残っているものは?
やっぱり王道は『ミュウツーの逆襲』ですよね。個人的には、『セレビィ 時を超えた遭遇』とか『七夜の願い星 ジラーチ』といったかわいい系も好きなんですよ。今作もうるっとくるところもあって、大好きな作品になりました。――アニメや映画だけでなく、ゲームもプレイされているんですよね?
妹と両親、家族全員でゲームをプレイしています。一人1本ゲームを買ってあるくらいなんですよ! この間も「ヒトカゲ」と「アチャモ」が欲しくて、どこにいるかわからなかった時に、家族にLINEで聞きました。ニンテンドーDSをネットに繋げると、世界中の人とポケモンを交換することができることを教わって本当にすごいなって。結局は、妹に交換してもらったんですが(笑)。
――家族全員でプレイされているのはすごいですね(笑)。
私が『アルファサファイア』で、母が『オメガルビー』(笑)。同じ場所で詰まっていた時に、家族に助けてもらったりします。『ポケモン』は、家族の共通の話題の一つになんです。お父さんは私たちに強いポケモンをくれたり、アドバイスしてくれるためにプレイしてくれています。
――家族の思い出も増えそうですね。
そうなんですよ! お父さんが『ポケモン』の指人形を全種類集めて、それを缶に詰めて、私と妹にそれぞれプレゼントしてくれました。
――もうお話を伺っていると、選ばれるべくして選ばれた感じがします。
私は、『ポケモン』がすごい好きな方という意識はなくて、むしろ普通だと思っていたんです。
でも、今回ナレーションのお話をいただいて『ポケモン』について語りだすと思った以上に話ができてしまいますし、自分でもびっくりです。たぶん、私にとって日常に近い常にあるものなので、"好き"ということに意識的にならなくても、かけがえのないものだと思うんです。家族ぐるみのお付き合いですし(笑)。
――となると、ナレーションが決定した時にご家族は……。
前売り券は絶対にもらってきて……あれーって(笑)。
――山本さんへの出演祝いよりも作品の方が重要なんですね(笑)。では、作品はご家族で観に行かれますか?
いやー、怖いので私を覗いたみんなで観に行ってもらいたいですね。
――(笑)。
では最後に、改めて山本さんにとってのポケモン映画に出演された思いを教えてください。
自分が話す声に対して、ポケモンたちが答えてくれたり、反応してくれるのがうれしくて。一生忘れることのできない思い出になったと思います。
■プロフィール
山本美月
1991年7月18生まれ 福岡県出身。2009年7月に行われた第1回「東京スーパーモデルコンテスト」に出場し、グランプリを受賞後、CanCam賞に選ばれる。以後、ファッション誌『CanCam』(小学館)の専属モデルとして活躍する。2011年にはフジテレビ系列『幸せになろうよ』で女優デビュー。2012年には『桐島、部活やめるってよ』で映画初出演。2014年7月にテレビ東京系で放送されたTVドラマ『アオイホノオ』で初のヒロイン役、2015年には『東京PRウーマン』で映画初主演に抜てきされた。
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