隕石衝突でDNA構成分子が生成 - 東北大などが模擬実験で確認
同成果は東北大学理学研究科の古川善博 助教、NIMSの小林敬道 主幹研究員、広島大学大学院理学研究科の関根利守 教授らの研究グループによるもので、8月17日公開の欧州科学誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載された。
生命の遺伝情報はDNAに記録されており、その情報はRNAを介してタンパク質の合成に使用され、タンパク質は生体内のさまざまな反応をコントロールしている。これらの物質を構成する核酸塩基やアミノ酸、リボースなどの有機物は生命起源にとって不可欠とされているが、生命誕生期の地球でこれらの物質がどのように誕生したのかはわかっていなかった。
これまでの研究で、鉄を含む隕石の衝突によって有機物が生成するという仮説が提案されており、古川助教らの研究グループは、この仮説に基づき2009年に隕石の衝突によりアモルファス炭素を炭素源として、最も単純なアミノ酸であるグリシンが生成することを突き止めていた。しかし、隕石の衝突を含めた他の環境でも、当時の地球で利用可能な無機物から核酸塩基を生成する反応や地質学的イベントはこれまで報告されていなかった。
今回の研究では、当時の地球大気の主成分である二酸化炭素が海洋に溶解して生成する重炭酸に炭素源を変更し、生命誕生前の地球海洋に鉄を含む隕石が衝突する過程を模した超高速衝突実験を実施し、生成分子を分析した。
その結果、鉄、水、重炭酸、アンモニアなどの無機物から衝突反応により、最大2種類の核酸塩基および最大9種類のアミノ酸が同時に生成することがわかった。
今回の実験のような衝突反応により生成された核酸塩基が最初の生命の遺伝情報の蓄積や伝達に使われるようになった可能性があり、同成果は地球上で最初の遺伝物質がどのように生まれたかという問題を解決する重要な手がかりとなることが期待される。なお、全容の解明や当時の地球での生成量の詳細な見積りには今後の研究の進展が必要となる。
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