2015年8月19日 17:58
岡山大、イネが籾殻にケイ素を優先的に分配するための仕組みを解明
岡山大学は8月18日、イネが籾殻にケイ素を優先的に分配・蓄積するための仕組みを解明したと発表した。
同成果は同大学資源植物科学研究所の山地直樹 准教授、馬建鋒 教授らと農業環境技術研究所の櫻井玄 研究員の研究グループによるもので、8月17日付(現地時間)の「米科学アカデミー紀要」オンライン版で公開された。
植物は土壌からケイ素を吸収し、葉の表面などにシリカとして沈着させる。このシリカ沈着はさまざまなストレスから植物を保護する働きを持つ。特にイネは多くのケイ素を蓄積する性質があり、その蓄積は米の生産性に極めて重要とされている。イネは蒸散の少ない籾殻に高濃度のケイ素を蓄積する仕組みを持っており、その中で葉と茎の接点である「節」の働きが重要であることがこれまでの研究でわかっている。しかし、その具体的なメカニズムは断片的にしか明らかにされていなかった。
今回の研究では、すでに明らかにされているケイ酸を透過する輸送体Lsi6に加えて、ケイ酸を細胞外に排出する輸送体Lsi2とLsi3の計3種類の輸送体タンパク質が節でのケイ酸の分配に協調的に働くことがわかった。
具体的には、Lsi6は葉につながる肥大維管束の周縁部にある「木部転送細胞」