2015年8月20日 12:52
知らないと損をする「お金と法律」の話 (14) ネットバンキングで不正送金の被害に遭った場合、補償してくれるの?
連載コラム『知らないと損をする「お金と法律」の話』では、アディーレ法律事務所の法律専門家が、具体的な相談事例をもとに、「お金」が絡む法的問題について解説します。
【相談内容】インターネットバンキングを利用していますが、先日、預金が勝手に引き落としをされていることに気づきました。インターネットバンキングで不正に預金が取られてしまった場合、銀行は補償してくれるのでしょうか?
【プロからの回答です】
あなたに過失がない限り、銀行により全額補償されるのが原則です。ただし、あなたに「パスワードを他人に知られてしまった」等の過失があった場合には、補償額が減額される可能性があります。「契約カードを他人に渡してしまった」など、重大な過失があると判断された場合には、全額補償されない可能性もあります。
○ネットバンキングでの不正送金の実情
銀行取引が、ネット上で24時間手軽に行えることから、インターネットバンキングの利用者は急増しているようです。しかし一方で、このインターネットバンキングを狙った犯罪被害も後を絶ちません。警察庁の発表によれば、インターネットバンキング利用者の情報を盗み取り、利用者の口座から不正送金する事案の被害は、平成24年には64件合計約4,800万円だった被害額が、平成25年には1,315件合計約14億600万円、さらに平成26年には1,876件合計約29億1000万円の被害額に達しており、平成26年は、前年比の2倍以上になっているとのことです。