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ジャルジャル、お笑い始めた原点に戻れるYouTube “本業”単独ライブへの思いも語る

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ジャルジャル、お笑い始めた原点に戻れるYouTube “本業”単独ライブへの思いも語る

●KOC優勝で得た心のゆとりと良いプレッシャー
昨年『キングオブコント』で悲願の優勝を果たしたお笑いコンビ・ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)。近年はYouTubeチャンネルへの毎日の動画投稿が人気だ。昨年末には「100万人行くまでコントし続ける奴」を生配信し、チャンネル登録者数が95万人から5万増の100万人に到達するまで約3時間半コントを続け、話題となった。

そんな彼らが“本業”と言い切るのが単独ライブ。昨年は新型コロナウイルスの影響で単独ツアーが全公演中止となり、今年2年ぶりとなる「JARUJARU TOWER 2021-ジャルってんじゃねぇよ-」を開催。すでに東京・福岡公演は成功を収め、7月26日から8月1日には大阪公演を開催する。その直前の彼らにインタビューし、ライブやYouTubeへの思い、今後の野望を聞いた。

――『キングオブコント』優勝から半年以上経ちましたが、それ以前との変化を改めてお聞かせください。


後藤:『キングオブコント』の時期が近づいても「今年どのネタにするか」と考えなくて済むようになり、解放されました。

福徳:心持ちは変わりました。チャンピオンという称号なので「なれたぞ」と、そういう自信はあります。また、今年『キングオブコント』に挑戦しなくてもいいので、そういう心のゆとりもあります。本当に好きなネタを、ネタ時間を気にせずやれることは、ええなあと思いますね。

――『キングオブコント』に対し、今どんな思いですか?

後藤:僕らはかなりの回数を挑戦させてもらったので、十分やらせてもらったという達成感があります。

福徳:僕も達成感はあります。終わったなあという感じですね。
完走したなあと。

――優勝してよかったなと思う瞬間は?

後藤:劇場に出る時などは、チャンピオンなのでしっかりとお客さんを満足させられるようなネタをしなければいけないぞと、いい意味でのプレッシャーはあります。しっかりやるぞという前向きなプレッシャーです。

福徳:僕らは自分たちのYouTubeでロケをさせてもらうこともあるのですが、その時に『キングオブコント』で優勝したコンビやからと、ネームバリューのおかげでいろいろなロケ場所を貸してもらえたり、ありがたいですね。やっぱり違いますね。●YouTubeは「素の僕らをそのまま出している」

――YouTubeでの活動も顕著です。昨年末はYouTubeチャンネル「JARU JARU TOWER」で「100万人行くまでコントし続ける奴」を配信し、約3時間半で登録者数100万人突破しました。大台突破した心境はいかがでしたか?

後藤:当初は数日かかるだろうと考えていたので、早く終われてうれしかったですね(笑)。
覚悟していた分、ちょっと拍子抜けな感じも。3日間くらいスケジュール取っていたんです。初日は深夜までやり、途中で寝るコントを挟み、次の日の朝、コント途中から始める、みたいな構成も考えていたんですけど、初日で達成できて、うれしさ・拍子抜け・ありがたさ、を感じましたね。

福徳:こんなにたくさん登録してくれるのかと、うれしかったです。でも100万人超えた後、しょうもないコントをウィニングラン的にやったせいで登録者数が減っちゃって(笑)。やばいやばいと。100万人切るところだったので、急きょ止めて。いい思い出です(笑)。


――さかのぼって2020年9月には新チャンネル「ジャルジャルアイランド(JARUJARU ISLAND)」も開設されました。複数チャンネルにしてよかったことは何ですか?

後藤:もともとやっている「JARU JARU TOWER」は1日でまとめて撮りますが、新しいアイランドのほうはちょいちょいロケをして撮る感じのものです。リアルシチュエーションでやるもので、コントによってかなり変わってくるので、両方見て楽しんでいただけると思います。

福徳:もちろん、僕らはいいと思うことしかやっていかないので、そのスタイルで今後も続けていきます。あとは見てくださる人がどう思うかですが。

――YouTubeの動画に対する反響やコメントも参考にしているそうですが、そういう意味でもYouTubeは大事ですか?

後藤:僕らよりも見ている人のほうが、僕らのネタに詳しかったりするんです。数が多すぎて覚えていられないので(笑)

福徳:でも実はYouTubeのほうが周りに左右されないんですよ。人の意見を聞き入れずに、好きなことができている。
逆に周りの意見を聞いてネタ作るのが舞台の方だと思うので、どちらかと言うとYouTubeのほうがありのまま、素の僕らをそのまま出している感じですね。きっと見ている人もありのままの僕らを出してほしいと思っているはずです。

●YouTubeでストレス解消「学生に戻れる感覚」

――改めて、YouTubeはおふたりにとってどういうものですか?

福徳:同じネタという意味で考えると、テレビの場合、ネタで失敗したら番組側に迷惑がかかる。YouTubeは僕らがスベろうが、見ている人が真顔で見ようが、特に問題はなく、僕らも気にせずできる。言い方は悪いかもですが、テレビの時はプロの心意気でやり、YouTubeの時はアマチュアの感覚でやっています。どっちが楽しいか言ったらYouTubeのほうが楽しいですが、それぞれにいいところがあるなと思います。

後藤:僕はストレス解消ですね(笑)。なかなかあんなに好き放題、あの数のネタはYouTubeがないとできないので、かなりストレス解消になる。
YouTubeでネタをやらないとストレスがたまって「やばい!」ということではなく、潜在的なものの発散になっています。たとえばテレビでは誰かが考えた企画があり、キャスティングされ、その意図に沿ってやる。YouTubeはそういうものがないので、のびのびできる気持ちよさがあります。

福徳:僕らは高校の同級生で、高校の時に毎日遊んでいて、こんなに楽しいならこれがそのまま仕事になったらどれだけ幸せなことかと思ってお笑いを始めたんですけど、テレビとかが増えるとその感覚が薄まっていって仕事感覚になる。これがYouTubeになると、最低限のモラルは必要ですが、責任感は減るので一気に学生に戻れる感覚があります。

後藤:今思うと(プロになって番組などで)自分でコントロールできる部分が少なくなったことは、ちょっとつらかったんだと思います。どうしても趣旨があって、それに沿ってということになるので、そういうものにあまり向いてなかったのかなと思います。

――YouTube生配信でファンから寄せられたコントタイトルで即興コントをやったり、ファンを巻き込んだ新たな挑戦もされている印象ですが、生配信の面白さや魅力はどう感じていますか?

後藤:僕らは昔からニコ生やLINEライブなどで生配信はけっこうしていて、その面白さはわかっていたんです。
目の前にお客さんはいませんが、生配信というだけで緊張感があります。リアルタイムでチャットが来るので楽しいです。福徳:見ている人がそれぞれ、電車の中にいたり、部屋にいたり、家族とご飯を食べていたり、いろいろなところで見ていると想像すると楽しいです。劇場ではお客さんが目の間に座っているわけですが、それとは違った感じがします。

●“おもしろ寿命”を延ばしてやり続けたい

――そして単独ライブも大事にされている印象ですが、昨年コロナでツアーが中止になり2年ぶり。東京公演はすでに終わりましたが、いかがでしたか?

後藤:2時間くらいのコントですが、体力を使う系の単独ライブだと実際にやってみて思いました。ハードでした。大阪の9ステージがこなせるか震えています(笑)。

福徳:単独ライブ自体は、毎回ハードなんです。でも、ありがたいことにたくさんのお客さんの前で久々にできたので、興奮しました。

――やはり観客の生の反応はたまらない?

後藤:そうですね。僕らは単独ライブが「本業です!」という言い方をしているので、全部そこに集約していきたいという思いがあります。公演数も動員数も増やしていけたらいいなという話はしています。

福徳:動画も配信もゴールは単独ライブに来てもらうためなんです。初めて単独ライブをした時に、これはええなと。どんな仕事よりもやりがいがあって楽しいです。

後藤:全部自分たちでゼロからチームで作り、それを披露して、その上でお客さんが笑ってくれる気持ちよさだと思うのですが、単独ライブはネタだけでなく、一個の単独ライブというパッケージを作る楽しさもあり、それを見て笑ってくれる楽しさもあります。

――今回のツアーの見どころやこだわっている点はどこでしょうか?

福徳:最近街を歩いても「YouTube見てます!」とめちゃくちゃ声をかけてもらえているのですが、YouTubeは“ネタのタネ”と言ってワンアイデアでやらせてもらっていて、単独ライブに関しては3~4カ月かけて作っているものなので、けっこうおもろいぞ! という感じです。YouTubeはおもろいぞ! と胸を張って言えないですが(笑)、これに関しては自信があるので来てほしいです!

後藤:1回見てもらったら次も見てみようと思ってもらえる自信はあるので、ぜひ見てもらいたいです!

福徳:YouTubeは1秒見逃しても10秒早送りしても問題ないけれど、単独ライブは1秒ずつしっかり観てほしいです。――最後になりますが、今後の目標をお願いします!

福徳:ずっとネタは続けていきたいです。そして、長生きしたいのは当然なんですけど、健康寿命が短いと大変なのと一緒で、長生きかつおもしろ寿命も長くせなあかんなと。ただただ続けていてもしょうがないので、ちゃんとおもろいのが80歳になってもできているようになっていかなあかんなと思っています。

後藤:日々やるしかないですよね。師匠方を見ていても、あの年齢で舞台でウケているのは毎日舞台に立っているからだと思うので、僕らも単独ライブを定期的に続けていけるように、心身ともに健康でいたいです。

■ジャルジャル
高校時代からの友人同士である後藤淳平と福徳秀介によるお笑いコンビ。2003年4月にコンビ結成。『めちゃ×2イケてるッ!』のレギュラーメンバーとして活躍。『キングオブコント2020』で13度目の挑戦にして悲願の優勝を果たした。YouTubeにも力を入れており、「JARUJARU TOWER」と「JARUJARU ISLAND」の2チャンネルを更新中。

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