高石あかり、大きな変化もたらした禰豆子役に感謝 「役が降りてきた」体験も語る
●禰豆子役は三役「役に忠実に、愛をもって演じ切れた」
昨年、舞台『鬼滅の刃』で主人公の妹・竈門禰豆子(禰はしめすへん)を演じ、注目を集めた女優の高石あかり(18、高ははしごだか)。8月7日に開幕する続編、「舞台『鬼滅の刃』其ノ弐 絆」で再び禰豆子を演じるが、今回また「味わいたい体験」があるという。高石にインタビューし、禰豆子役を演じてからの変化や、女優としての成長、今後の抱負など、さまざまな話を聞いた。
――『鬼滅の刃』は昨年大いに話題になりましたが、上演時の反響はいかがでしたか?
私が舞台で禰豆子を演じさせていただくと発表した時から反響は大きかったですね。以前から私自身も兄とともに作品の大ファンだったので「うわ!」となり(笑)、2人で抱き合って泣きました。
――禰豆子役を演じるということは、それだけの衝撃ですよね。
うれしかったです! でも、最初は現実味がなくて。兄が最初に泣いてくれたので、そこで実感したというか、2人で号泣しました(笑)。
――昨年、初めて演じた時は、どういうことを心がけていましたか?
禰豆子は、実は三役あると思っていて、普段の禰豆子、鬼らしい禰豆子と、人間禰豆子の三役。そういう部分のメリハリを、しっかり出したいと思っていました。自分としては役に忠実に、愛をもって演じ切れたのかなと思っています。
――そしてこの夏には、続編が開幕します。
きっとファンのみなさんがすごく観たい、那田蜘蛛山編が描かれると思うので、舞台だとどういうものになるのか化学反応が楽しみです。
――ところで、禰豆子役を演じるようになって、仕事面や日々の生活など、どのような変化を実感していますか?
高石あかりという名前を広く知っていただけたということが一番大きく、取材の時に取り上げてくださる内容が『鬼滅の刃』のことが多くなりました。また、個人的にうれしいなと思うことは、知り合いのお子さんが禰豆子のように竹を加えた写真を見せてくれるんです。そういうことが何回もありました。
禰豆子ってすごいなと思いつつ、その子たちが大きくなった時に私を見て「違う」と思われないようにしないといけないなとも思っています(笑)
――禰豆子役を通して、自分が成長できていると感じていることは?
自分ではわからない部分もあるので、成長できていたらいいなと思っています。ただ前回、稽古の段階で振り切れたタイミングがあったんです。鬼になった瞬間を5~6回、稽古で練習したのですが、途中から役が完全に降りてきて。兄を守るタイミングで冨岡義勇役の本田礼生さんが目の前にいらしたのですが、兄を守らなきゃという一心でその人への敵意が一気にわきあがって、私じゃないみたいな感覚になったんです。それは本当に覚えていて、めちゃくちゃ楽しかった(笑)。あれをまた味わいたいです。
●第2弾「ドキドキ」 女優業のやりがいや目標も語る
――今度は、ここまで『鬼滅の刃』が盛り上がっているなかでの上演となり、第1弾よりもプレッシャーがあるのでは?
ドキドキはします(笑)。毎回、人に会う時に「禰豆子ちゃん!」と言われるので、禰豆子としてしっかり演じ切らなければと思っています。
――これだけ人生を変えた禰豆子に恩返ししたい気持ちにもなりますか?
そうですね…禰豆子への感謝の思いはありますね。『鬼滅の刃』の舞台のこともあり、禰豆子と言われると、キャラクターを想像するというよりも、実際にいるひとりの人間を想像するようになっているんです。それは演じた私だけの特権だと思うのですが、禰豆子がいつも隣にいてくれているような安心感があるような気がします。
――女優活動の話なのですが、2019年4月に女優として本格始動すると発表され、2年が経ちましたが、女優としてのやりがいをどう感じていますか?
小さい頃から遊び感覚で日常的にお芝居をしていて、そこからお仕事に変わりましたが、その楽しさや、いろいろなものに挑戦したい思いは変わらずあります。もちろんつらいことはこの先もあるとは思いますが、楽しみながらやっていければいいなと思っています。
――プロになる前に思い描いていた女優の仕事は、今できていますか?
そうですね。でも、これからもっともっと上を! という気持ちはもちろんあります。
――上とは?
化粧品のCMです(笑)
――なるほど(笑)
それはともかく(笑)、人間的にも頼れる女性になりたいと思っていて、それも目標かもしれないですね。
――今後、どのような女優になっていきたいですか?
実は最近、トニー・スタークが主人公の『アイアンマン』から『アベンジャーズ』シリーズを観始めまして、全部観ようと思っています。マーベルは大きすぎて自分が出る出ないみたいなことを考えたことはないのですが、「海外いいな」と漠然とした思いはあります(笑)。
■高石あかり
2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。2016年4月よりダンス&ボーカルユニット「α-X’s(アクロス)」のメンバーとして活動。2018年にグループが解散した後は、女優へ転身。2020年に舞台『鬼滅の刃』で竈門禰豆子を演じ、注目を集める。映画『ある用務員』(2021)では女子高生の殺し屋リカを演じ、強烈な存在感を残した。そして、初主演映画『ベイビーわるきゅーれ』(7月30日公開)で2度目の殺し屋役に挑戦。
また、再び竈門禰豆子を演じる舞台『鬼滅の刃』其ノ弐 絆が、8月7日に開幕する。