3Dプリンタでつくった"縫い目のない服"を展示! - 東京都・伊勢丹新宿本店「彩り祭」
実はこの三越日本橋本店のライオンの装飾だけでなく、「縫い目のない服を作る3Dプリンタ」など、テクノロジーとファッションが融合した展示が、伊勢丹新宿本店の店舗で行われているのをご存じだろうか。今回は、同イベントの中核を成している伊勢丹新宿本店で行われている展示の様子を紹介する。
○試着した姿を記憶できる、デジタル技術を使ったミラー
服の試着を行ったとき、背中側を見ようとして身をよじった経験はないだろうか。そうした不便を解消する"未来の鏡"が「memomi(メモミ)」。現在、伊勢丹新宿本店 本館2階センターパーク/ザ・ステージ2でデモンストレーションが行われている。
今回の「memomi」の展示は、同プロダクトを開発したMemoMi Labs Inc.とインテルが合同で行っているものだ。
70インチのディスプレイに2Dカメラが1台設置されており、その前に立った人の姿を写す。「memomi」という名称には「memory」の意味も込められており、普通の鏡であれば身をよじっても完全には見られないバックスタイルもじっくり眺めることができる。
試着の様子を記録できるため、違う洋服を着た状態を並べて比較することもできる。試着を繰り返し、結局どれが一番似合っていたか判断がつかなくなることもありがちだが、このデジタル技術を使ったミラーを使うことで、よりじっくりと自分に似合う洋服を選ぶことができそうだ。実際、会場では老若男女問わず、ライフスタイルに敏感な層が「memomi」を試用していたという。今後、イベント終了後も同店の売り場で試着に「memomi」を利用する試みが予定されている。
○洋服を「印刷」する3Dプリンタ
また、「memomi」の隣には3D生地プリンタ「ELECTROLOOM」で作成した生地のサンプルが展示されている。ポリエステルと綿を含む液体を型の上に噴霧し、 縫い目のない衣服が作られるもので、この1年間で進化した同機による出力の成果を並べて展示している。
素材の触感は、レインコートの生地に近いハリ感のあるものだという。今後も同プロダクトは進化を続けるということで、「縫い目のない服」が本格的に登場する未来も近いのかもしれない。
○日本発のクラウドファンディングから生まれた製品を「リアル展示」
サイバーエージェントが運営する日本発のクラウドファンディングサイト「Makuake」にてプロジェクトが公開されているプロダクトを、同イベントの期間中に伊勢丹新宿本店の館内に展示する。
昨今はクラウドファンディングによってさまざまなジャンルの支援募集が行われているが、出資する前にプロダクトを自分の目で見る機会は、実はほとんどない。写真では伝わらないプロダクトの質感なども、確かめることができる。
本館2階グローバルクローゼット/アートギャラリーでは、「Makuake」自体の説明を行うためのスペースも設けられており、同店舗でショッピングを楽しむ層が、クラウドファンディングという新たな買い物の方法に親しむ機会ともなりそうだ。
○タータンチェックの「Pepper」が登場
また、期間中はソフトバンクのパーソナルロボット「Pepper」とのふれあい体験も行われ、「伊勢丹」のタータンチェックを身にまとった特別バージョンのPepperが、来店者を出迎える。これは伊勢丹新宿本館以外でも実施されている催しで、実施店舗は下記の通り。
■伊勢丹新宿本店 本館2階特設スペース : 9月8日まで(※9月2日(水)以降は、 本館1階正面玄関前での展開)
■三越日本橋本店本館1階室町口 : 9月1日まで
■三越銀座店1階ライオン口エントランス : 9月3日~9月8日
■伊勢丹立川店2階特設会場 : 8月30日まで
■伊勢丹浦和店1階ザ・ステージ♯1 : 9月8日まで
(9月2日以降は、 6階ザ・ステージ♯6での展開)
■静岡伊勢丹1階正面玄関 : 9月2日~9月8日
これまで同社が築いてきた歴史ある「場」にテクノロジーが自然なかたちで入り込み、こうしたプロダクトに触れてこなかった人たちとの化学反応を誘発する、意欲的な催しに感じられた。なお、「彩り祭」の開催期間は9月8日まで。心惹かれたプロダクト・展示があった人、あるいはショッピングで同店を訪れるという人も、この機会に一度展示に目を留めてみてはいかがだろうか。