専業ファウンドリ、2015年10~12月期に史上最高売上達成か? - IC Insights
ファウンドリの売り上げは季節変動があり、2014年までは、第2四半期の成長率がその年一番の2桁あるいは2桁に近い成長率を示し、その後、第4四半期に向けて成長率は減少していく傾向にある。ファウンドリ専業は生産品のほとんどすべて(98%)をIDMやファブレスへ納入し、これらの企業は、ファウンドリから納入された製品を再販するので、世界市場全体の売上高成長率のピークが第3四半期であるのに比べ、ファウンドリ専業の売上高成長率のピ―クが四半期(3カ月)前倒しになるのは理にかなう。
これに対して、2015年は、例年と異なり第2四半期に売り上げが2%減少してしまっている。この主たる原因は、中国や新興国でのスマートフォンビジネスの不振でTSMCの同期の売り上げが前期比5%低下したことによる。この減少額は3.7億ドルである。
IC Insightsは2015年第4四半期のファウンドリ専業の売上高の伸びは4%かそれ以上になるとみている。
今年前半のファウンドリ売り上げを抑える原因となった、顧客である半導体企業の在庫調整が第3四半期末(9月)までには終わり、第4四半期は史上最高額を記録すると同社は予測している。
著者注:TSMCの第2四半期業績がマイナス成長であったことにより、業界に不安感がひろがり、さらなるマイナス成長を予測するアナリストもいた。これに対して、TSMCのトップである張忠謀 董事長は、去る6月の株主総会で「今年後半の6カ月の業績は前半よりも良くなり、今年も前年比2桁成長する」と主張していた。今回のIC Insightsの予測は、TSMCの6月の主張を強めるものとなっている