2015年9月1日 10:00
Hot Chips 27 - 中国Phytiumの64コアARMv8サーバプロセサ「Mars」(前編)
今年のHot Chips 27でもっとも意外感のあった発表は、中国のPhytium Technologyという会社の「Mars」と呼ぶ64コアのARMv8プロセサの発表であった。発表を行ったのは同社の研究部長のCharles Zhang氏であるが、米国のビザが得られなかったため会場には来られず、スライドと電話での発表となった。
Phytiumは2012年に創立された会社で、広州と天津にオフィスを持つ。同社のWebサイトでは高性能サーバ向けのマイクロプロセサやアクセラレータ、リファレンスボードなどのテクノロジを供給すると書かれている。しかし、具体的にどのような開発をやっているのかはまったく情報が無く、今回のHot Chipsが初めての発表である。
同社はハイエンドのMarsと呼ぶプロセサとクラスタ型サーバ用の「Earth」というプロセサの開発を行っているが、今回の発表はMarsに関するものである。
○ARMv8準拠の64コアプロセサ
MarsのコアはARMからARMv8のアーキテクチャライセンスを受けて開発しており、命令レベルではARMv8準拠である。Marsチップは、8コアをまとめたパネルという単位を8個使って、全体で64コアになっている。