「ライカ阪急うめだ店」オープン - ライカの哲学を伝えるストアへ
9月1日のライカストア「ライカ阪急うめだ店」オープンに先がけ、前日の8月31日にオープニングレセプションが開催された。今回のオープンを記念したハービー・山口氏の写真展「ライカの世界 ~ハービー・山口写真展とライカ 100年の歩み~」の最終日でもあり、会場は多くの人でにぎわっていた。
○ライカ阪急うめだ
ライカ阪急うめだ店は、大阪府大阪市にある阪急うめだ本店10階「うめだスーク」にオープン。デジタルカメラやレンズ、アクセサリー、双眼鏡などを扱う。ライカ阪急うめだ店オープンを記念した特別モデル「ライカXマルーン」も限定50台で販売している。
ライカXマルーンは、阪急電車の車体塗色であるマルーンカラーをまとったモデルで、同じくマルーンカラーのカメラストラップが付属する。実際に目の前にすると、マルーンカラーは深みがあって上品な印象だ。
○ライカの世界 ~ハービー・山口写真展とライカ 100年の歩み~
8月31日まで開催されていた写真展「ライカの世界 ~ハービー・山口写真展とライカ 100年の歩み~」では、ハービー・山口氏が自らセレクトした作品約50点を「街角の天使たち」「Europe」「Heroes」のテーマごと3章に分けて展示。
ハービー氏の作品のほか、ライカカメラの主な歴代モデルも展示され、ライカブランドについても紹介されていた。
次ページでは、ライカカメラジャパンの代表取締役 福家一哲氏や、写真家のハービー・山口氏も登場したオープニングレセプションについてレポートする。
●ただカメラを販売する場にあらず
○物語を伝えるという役割
レセプションではまず、ライカカメラジャパン 代表取締役の福家氏が登壇。福家氏は今回のライカ阪急うめだ店のオープンについて「文化を創っているような立派な百貨店にライカストアをオープンできることを本当にうれしく思う。買い物以外でも"阪急に来ている"というのが高い価値を持つ場所。これはライカもいっしょ。カメラを売っているだけでなく、哲学や職人技などを物語として伝えられるストアにしていきたい。そう思っているからこそ、ライカストアを阪急うめだにオープンできることはありがたいこと」と述べた。
続けて福家氏は「ライカは伝統を継承しつつ、一方で革新的な試みも行っている。スマートフォンなどの普及もあって、写真がみんなのものになっている現在、ライカのユーザープロフィールも多様化してきている。2014年にライカカメラは100周年を迎えたが、この先100年も良い歴史を築いていきたい」と意気込みを語る。
○「ライカは一生の相棒」
写真家のハービー・山口氏も登場。ハービー氏といえば、ライカのカメラを愛用していることで有名だが、レセプションではそんなライカとの出会いを「ロンドンに10年ほど住んでいたときにライカを出会った。ライカで写真を撮ったときに、このカメラなら人生を撮れると思った。それ以来、一生の相棒としてライカを持ち続けている」と語ってくれた。
自身の作品については「中学2年で写真を撮り始めて、作品のテーマは変わらず、人にやさしさとか勇気を与えられるようなもの。
病気をしていて、孤独と絶望の少年時代だったが、写真を撮ることで救われたし、他の人も救うことができたら、生きていてよかったと思える」と述べる。最後に、「ライカがなければ、そんなふうに人に勇気を与えられるような写真は撮れなかった。100%の称賛と感謝をこめて」と結んだ。