2015年9月2日 10:00
どこでもサイエンス (58) 数字のケントーをつける話=フェルミ問題
世の中、トホーもない数字がたくさんでてまいります。で、そんなん、どうやって出したのかわからないわけでございますなー。今回は、そんなお話でございます。あ、理系の人にはたぶんジョーシキなので、そうでない方々にお話する時の「思い出しネタ」にでもしてくださいませー。
20世紀最初の年に、イタリアでエンリコ・フェルミって男の子が生まれました。この人、25歳くらいで、量子物理の世界でとてつもない研究成果を次々とあげ、37歳でノーベル賞を受賞した天才でございます。で、奧さんがユダヤ人だったために、ナチスドイツの同盟国だったイタリアでの迫害をおそれ、ノーベル賞の受賞式典で出国して、そのまま亡命。アメリカの大学に迎えられるのでございますな。
原子炉を発明し、その後は原爆の開発をすることになるんですけど(水爆には反対していたらしいですがね)。
さて、このフェルミさん、数字のケントーをつける。概算の達人として知られております。いっけん、無理だろうという問題を、だいたい解いてしまう。それを「フェルミ問題」といっているのでございますな。原爆の開発のときも、ティッシュペーパーの飛び方で、爆風の威力を概算したそうでございます。