ミキ亜生&ゆりやん、互いの才能を絶賛「鳥肌立った」「ベテラン」
●即興の面白さ「奇跡が起きたり、大爆笑になることも」
即興をテーマにした一人喋りショー「One-Man Talk Show」と即興コントショー「IMPROV SHOW featuring The Second City」の2部構成で笑いを届けるエンターテインメントショー「THE EMPTY STAGE」。6年目となる今年は、「THE EMPTY STAGE GRAND 2021 SUMMER」と題し、8月16日~22日まで全11公演を東京・よしもと有楽町シアターにて開催する。
このたび、「One-Man Talk Show」に出演するミキ・亜生(19日18時公演)とゆりやんレトリィバァ(21日12時30分公演)にインタビュー。即興の面白さやショーへの意気込み、さらに、お互いに魅力について語ってもらった。
――「One-Man Talk Show」への参加は何回目ですか?
亜生:2回目です。
ゆりやんレトリィバァ(以下、ゆりやん):私も2回目です。
――印象に残っている思い出を教えてください。
亜生:最初に出演したのはまだ大阪にいたときで、東京で「THE EMPTY STAGE」があるから出てくれと言われて緊張して行ったら、レストランみたいなところでみんなご飯を食べていて、「東京すげー!」って。
東京のトークライブはシャレてるなと思いました。また、出演する前にマネージャーから、(千原)ジュニアさんは一気に(お題を)3つもらって、そのエピソードをつなげて即興で披露すると聞いて、すごいなと思いました。
ゆりやん:すごすぎます!
亜生:僕は無理やと思って、30分のうち最初の15分はお題をもらわんとやりたいトークをして。お題をもらうと途中でフリートークできないから。めっちゃずるいことした(笑)
ゆりやん:私はもともとお芝居のほうで「THE EMPTY STAGE」に参加させてもらっていて、さらに大阪で即興芝居のグループに入っていたので、もともと即興が大好きなんです。トークはできないだろうなと思っていたらトークも楽しくて。私はどうなるかわからないこととかゾクゾクして大好きなんです。
――亜生さんは即興は好きではないのでしょうか?
亜生:緊張しいなので。
ゆりやんと僕らと霜降り明星さんと3組でユニットライブをしていたときもほぼほぼ即興で、そこで培われものはありますけど、(前回「One-Man Talk Show」に出演したのは)その前だったのでただただ怖いだけで。今も緊張します。だから、お客さんがどんな質問をするのか、前もって知らせてもらいたいです。
ゆりやん:それじゃ即興にならないので、ごめんなさい。
亜生:あ、ダメですか。お金払って僕が出してほしいお題とか……。
ゆりやん:やらせになってしまうので、ごめんなさい。
亜生:ダメですか。
厳しい(笑)
――それはダメみたいですね(笑)。即興のやりがいはどのように感じていますか?
亜生:僕は最後までやれたらやりがいを感じるのかなと。お題をもらって何も思いつかないでもごもごして終わるのだけは避けたい。前回は、これ来たらこれ言おうと考えていたんですけど、今回は何も考えずに、あえて何も用意しないで戦ってみようと思っています。
ゆりやん:お客さんと一緒にその場で生むという感じで、二度と同じことができないのがめっちゃ楽しい。即興って、奇跡が起きたり、大爆笑になることもあるんですけど、それって二度とできない。覚えていてもう1回やっても面白くなくて、即興というベースでやるから面白い。作り込まれているわけではないのに、なんか面白くなるっていうのが好きです。
亜生:オチを言わなくてもおもろい。オチを言ったあと「普通でしたね」というのもありで、うまく全部が面白くなればいい。
●亜生、ゆりやんのR-1優勝に感動「僕の中で圧倒的一番」
――コロナ禍で無観客のライブも体験されたと思いますが、今回の「THE EMPTY STAGE」は有観客です。お客さんがいるといないとでは、やはり違いますか?
亜生:お客さんがいるから生まれる笑いがある。リモートや無観客のライブもありましたが、ここ最近は100%ではなくてもお客さんがいてくれて、みんなで作っていくのは最高やなって。そのほうが楽しいので、お客さんはめっちゃ大事やなと思います。
ゆりやん:私も人生即興劇場みたいなところがあるので、「どんな環境でも楽しみ!」って思うんですけど、やっぱりお客さんがいてくださったらアドレナリンが出るというか、同じ空間で反応をいただけるのは楽しいし、ありがたいし、うれしいです。
――ゆりやんさんは平場でも即興をされますが、お客さんの反応を見て変えていますか?
ゆりやん:即興っていいように言っていますけど、「見切り発車やないか」と言われたらそれまでで(笑)
亜生:それがすごい! ゆりやんは、見切り発車でも形にできる。
ゆりやん:いやいや、助けていただいて。このくだりあかんからこっちに変えようかとか、今日のお客さんやったらこっちかなというのは……一切ないです(笑)
亜生:ゆりやんがすごいのは、お客さんもその空気にさせること。
ゆりやん:ミキさんこそベテランです!
亜生:『ENGEIグランドスラム』で僕らの漫才が終わったら、ゆりやんが袖でバッと来て、「ベテラン」って(笑)
ゆりやん:すごかったんですよ。しばらくお会いしてなくて、久しぶりにネタを見させてもらったら、ベテラン! すごい! って。これは言わなあかんと思って。
――ゆりやんさんがベテランと感じたミキさんのすごさとは?
ゆりやん:同世代の人たちはだいたい、ネタの前に「〇〇です。お願いします」って言うんですけど、ミキさんは「あの~」って(自己紹介しない)。
亜生:ハハハ! それはアイツ(昴生)がしたがる!
ゆりやん:あれが、いとし・こいし師匠を思い出させるんです。
漫才してますっていうのではなくて、兄弟の話を2人が急に始めたみたいな、それがすごいなと思って。この間、収録で見たときにまた引き込まれました。
亜生:「どうも~ミキです」が恥ずかしくて。後ろに「ミキ」って書いてあるのにおかしくないですか? 二度手間やん。時間がもったいない。
ゆりやん:私は名前が出てたら、「たぶんなんですけど、ゆりやんレトリィバァです」って言います(笑)
亜生:それもボケにできたら最高。ゆりやんは舞台にあるものをすべてボケにするので素晴らしい!
ゆりやん:ミキさんは、最後もはっきり言わないですよね。
亜生:普通の漫才師は「もうええわ、どうもありがとうございました」って終わりにするけど、お兄ちゃんはいとし・こいし師匠好きだから、「もうええわ」ってはっきり言わないで終わりにする(笑)
――ゆりやんさんは今年、『R-1グランプリ』で優勝されましたが、意識的な変化はありますか?
ゆりやん:あまりないですけど、絶対『R-1』優勝したいと思っていたので、ふとしたときに『あ、私R-1もらったんや』と思ったりします。
『R-1』が目標になりすぎて、優勝してネタとか作らなくなったらどうしようと思っていたんですけど、まったくそんなことなくて、逆に新しいスタート、ここから自由、みたいな感じで、ネタをいっぱい作りたいと思えたり、新しいことにいろいろ挑戦したいと思えるようになりました。亜生:『R-1』のゆりやんのネタは、ゆりやんが今までやってきたことがギュッと凝縮されていて、平場も含めてすごいなと。「これすげー!」って途中で鳥肌立って。僕はゆりやんを1年目から知っているので、「すごいなゆりやん!」って感動しました。僕の中で圧倒的一番での優勝でした。
ゆりやん:うわ~うれしい! ここ見出しでお願いします!(笑)
なお、公演は、新型コロナウイルス感染拡大防止の安全対策を行った上で、会場への入場者数を制限したライブ公演のほか、オンライン配信も実施する。8月17日13時公演は配信はなし。