日本のe-Sportsを加速、プロゲーマーのデモにも驚く - ベンキュージャパンの35型21:9湾曲液晶「XR3501」発表会
既報の通り、ベンキュージャパンは9月8日、湾曲率の高い35型ウルトラワイド液晶ディスプレイ「XR3501」を発表。都内で発表会も開催し、マルチゲーミングチーム「DetonatioN」所属のプロゲームプレーヤーによる実演を含む展示を行った。スペックなどの概要は、別記事「ベンキュー、ゲーマーに理想的な2000Rを描く35型ウルトラワイド曲面液晶」を参照いただきたい。
○PCゲーマーの望むニーズを製品に
発表会ではまず、ベンキュージャパン代表執行役社長のマーティン・モーレ氏が挨拶。
BenQは全世界でシェアNo.1を目指すべく努力しており、今回の製品は市場の拡大を目指して一から作成したと、XR3501の意欲を語った。
XR3501は、よりゲームに没頭できる湾曲率や、35型2,560×1,080ドットという広い画面でも144Hzのリフレッシュレートという、PCゲーマーが望むニーズに近いとする。
加えて、BenQは世界中のプロゲーマーを応援するとともに、彼らの声を聞きながら製品を開発していると述べた。
続いて、シニアマネージャーの洞口氏がゲーミング液晶ディスプレイの概要を紹介した。
BenQのゲーマー向け製品は、「XL」シリーズというFPS向けと、「RL」シリーズという格闘ゲーム向けに最適化された製品の2ラインナップで展開していた。今回、「XR」という新シリーズを投入する。
今回のXR3501は、想定価格が約13万円と、10万円を超えるハイエンド製品だ。よって、広い視野角が求められるレーシングゲームもターゲットに入れて、ゲームモードとしてBattlefield向け、Counter-Strike:Global Offensive向けに加え、Need for Speed向けという3種類を用意した。
2,560×1,080ドット(アスペクト比21:1)画面を採用することで、今まで見えなかった敵・味方・建物を把握できたり、臨場感が増したりする。さらに、色の鮮やかさをディスプレイ側で調整する「Color Vibrance」、暗部明部の調整を行う「Black eQualizer」など、ゲーマー向けの機能を多く盛り込んだ。
ほかにも、AUO製VAパネルを採用し、黒のしまりとメリハリある画像、ゲーマーに望まれる垂直同期(リフレッシュレート)144Hz対応やPIP/PBP機能を備えた製品になっている。●プロゲーマーの視点
○ゲストはプロゲーマーチームとゲーム運営会社
ゲストとして、BenQと協力関係にあるマルチゲーミングチーム「DetonatioN」の梅崎氏と、JCGの運営を行うマイルストーンの松本氏も登壇。
それぞれの立場からBenQディスプレイの特徴を語った。
DetonatioNは現在、5つのゲームに対して30名の登録選手を抱える日本有数のプロゲーミングチームだ。中でもLeague of Legendsチーム「FocusMe」は、フルタイム勤務給与制という文字通り「ゲームでメシを食っている」ことで知られる。さらに今月から全タイトルの選手・マネージャーに、活動資金を支給しているという。
BenQとの関係は、2014年11月にスポンサー契約を締結して以降、手厚い支援を受けている。上述したチームFocusMeのゲーミングハウスにも、BenQ製ディスプレイが置かれているそうだ。DetonatioNとしては、BenQのゲーミングディスプレイは最新技術による信頼・安定性、高いリフレッシュレートをいち早く採用、まぶしさや疲れなどのストレスを減らしてくれる、低遅延・高い応答性能の高さを特に評価しているという。
一方のJCGは、PCゲーム市場の底上げを狙うために発足。
ゲーム大会やストリーミング配信、コミュニティ活動、イベントなどを提供している。BenQとの関わりは2013年7月からと古く、オフラインイベントでBenQディスプレイを提供してもらっているという。2015年9月からはパートナーシップを刷新し、オフラインイベントの強化や、メディアパートナーとしての記事提供、製品レビューなどを行い、e-Sports発展に貢献したいと展望を語った。
○没入型で多くの情報が得られるのは共通しているが、ゲームの21:9対応が望まれる?
今回、Team DetonatioN所属プロゲーマーとして、FPSゲームのBattlefield4を対象にしているチーム「BYCM」のDustelBox氏と、世界で最も人気のDotA系ゲーム、League of Legends(LoL)を対象ゲームとしているチーム「FocusMe」のAstarore氏がデモプレイを披露してくれた。
どちらの選手も、広い画面で通常画面では見えなかったエリアが見えることや、没入感のある画面、144Hzのリフレッシュレート、ちらつきのないフリッカーフリーをメリットとしてあげていた。LoLに関しては、21:9画面に対する特別な設定がないため、ミニマップやステータスが端に寄っているのが少々厳しいとのこと。LoLの大会はおおむねディスプレイの持ち込みができないので、ディスプレイを大会で勝ち抜くためための武器として使えないのが残念だという。
逆に、Battlefield4の大会はディスプレイの持ち込みが可能な場合もあり、ミニマップを中央に寄せる設定が可能なので視線の移動が少ない。
DustelBox氏は非常に気に入っているようだ。