マルチOS・マルチデバイス対応の新「Acronis True Image」発表会 - サブスクリプション版は容量無制限クラウド付き
まず、今年(2015年)アクロニス・ジャパンの代表取締役に就任した大岩氏が簡単にスピーチ。「注視しているのはシステムバックアップ、モバイル、クラウド、コンシューマー。日本は通信インフラが安定していて、たくさんのユーザーが多岐にわたるマルチデバイスをすでに経験中であることから、モバイルデバイスも意識したコンシューマー向けクラウドバックアップソフトを発表できるのは大変重要」(大岩氏)と述べた。
米Acronis社 CEOのセルゲイ氏は、自社の概況と新製品について説明した。アクロニス社はバックアップソフトで有名だが、その原動力となっているのが多大な開発投資。
社員の半数が研究開発部門に所属することで、先進技術を開発しているという。
近年「データの爆発」といわれているように、日々多くのデジタルデータが生まれており、個人でもスマートフォンの普及などによって、大量のデータを生成・保持するようになった。これらデータを安全に守りたいという欲求も強くなっており、五大欲求の一つにデータ保護があると指摘。
アクロニス社は2年前から、あらゆるデータを安全に保管する「Acronis Anydata Engine」のプラットフォーム開発に着手し、企業向けでも活用されている。ここで発表された「Acronis True Image 2016」「Acronis True Image Cloud」は、個人向けに最適なバックアップ環境を提供すると強調した。
新バージョンでは、「Acronis True Image Unlimited for PC and Mac」として提供していたものを「Acronis True Image Cloud」と改名。これは、Windows PCやMacのみならず、モバイル環境(iPhone / iPad / Android / Windows Phone)にも対応したためだ。なお、Windows Phoneは後日の対応予定となっている。
クラウドのストレージスペースはバックアップだけでなく、アーカイブスペースとしても利用可能で、ストレージの少ないPCの外部ドライブとして使えるようになった。さらに、「クラウドは遅い」のイメージを払しょくすべく努力しており、現在は日本にデータセンターを設立した関係で、3年前と比べて半分程度の時間でクラウド上へデータをアップロード可能になったと説明。データセンターは東京に設置しているが、今年さらに2カ所増やす予定も示された。
○日本からの要望によって「Try&Decide」機能が復活
続いて、リージョナルプロダクトマネジャーの古館氏が、実際にソフトを使用しながらのデモを行った。新バージョンは「速くて簡単確実」をキャッチフレーズとしており、「OS丸ごとバックアップ」も高速化したという。
日本のユーザーからの要望が多かったということで、一時的なテスト環境を提供する「Try&Decideモード」が復活。繰り返しになるが、最新OSへの対応などもAcronis True Image 2016とAcronis True Image Cloudの主な新機能だ。
Acronis True Image Cloudに関しては、先述したモバイル環境への幅広い対応と無制限のクラウドストレージ、Webコンソールが三大特徴。
Windows Phoneに関してはコメントしなかったものの、推測すると、後日公開となるWindows 10 Mobileで対応すると考えられる。
セキュリティとプライバシーに関しては、クラウド上に保存するユーザーデータはAES-256で暗号化しており、ユーザーがパスワードを設定して使う。このパスワードを忘れたり紛失したりすると、アクロニス側でも復号できないとした。
ローカルストレージからのアーカイブは、利用頻度とジャンルで選択。読み出しは、PCならマウントされたネットワークドライブ越し、その他のデバイスからはWeb管理画面でアクセスできる。同一アカウントならば他のOSからでも利用可能だ。