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象印のコンベクションオーブン、予熱いらずのヒミツ

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象印のコンベクションオーブン、予熱いらずのヒミツ
●いいとこ取りしたコンベクションオーブン
象印マホービンは9月1日、予熱のいらないコンベクションオーブン「マルチコンベクションオーブン ET-YA30」(以下、ET-YA30)を発売した。また、10月11日には、豆の挽きからドリップまで全自動でできるコーヒーメーカー「珈琲通 EC-NA40」(以下、EC-NA40)を発売する予定だ。9月9日にはこの2製品について説明会を開催し、両製品の機能説明や、試食・試飲なども行われた。

○7本のヒーターで予熱いらずに

象印マホービン 第二事業部 生活家電グループの矢原力氏が登壇し、ET-YA30の開発コンセプトや新機能の説明を行った。矢原氏は「オーブン内部で熱風を発生させるコンベクションオーブン市場は3年前から急激に成長している。市場動向調査をしたところ、3年前には4,000台程度の出荷台数だったが、今年は200,000台前半を見込んでおり、これからも需要は拡大すると予測している」とコメントした。

すでにコンベクションオーブンを購入した人を対象にアンケートを実施した結果、コンベクションオーブンで調理する食品の第1位は「トースト」。80%以上のユーザーがオーブントースターとしても利用している。
一方で、コンベクションオーブンに対しての不満点は、「予熱に時間がかかる」「調理に時間がかかる」が上位2位に。そこで、象印マホービンでは「トースターとしても利用できる、予熱のいらないコンベクションオーブン」の開発を目指したという。

コンベクションオーブンは、オーブントースターを一回り大きくしたタイプが一般的には多い。オーブン庫内の上下にヒーターがむき出しで搭載されており、食品を直接加熱しつつ、庫内ファンで熱風を循環させるのが基本的な構造だ。しかし、この方式ではヒーターに近い調理物の表面だけ焦げやすいというデメリットがある。一方、庫外に配置されたヒーターで熱した空気を庫内に送風する方式では、熱源が庫内にないため上記のような焼きムラは発生しにくい。しかし、予熱が必要だったり、調理に時間がかかるといったデメリットがあるのだ。

ET-YA30では、この2方式のメリットを生かせるようなハイブリッド式を採用。
加熱開始時点では、上下に5本配置したグリルヒーターですばやく食品表面と庫内内部を温め、庫内が一定の温度に達したら、上下のヒーターを切って、庫外にある2本のヒーターからの熱をファンで庫内に送り込む。合計7本搭載されたヒーターはいずれも、立ち上がりが早く、ムラの少ない石英管ヒーター。このため、予熱なしですばやく庫内が温まるうえ、焼きムラを抑えた仕上がりを実現した。

○翌朝に汚れやニオイを残さない

ET-YA30はトースターとしての機能も充実。一般的には上下に2本ずつ配置されることが多い庫内ヒーターを、上下あわせて5本配置することで強い火力を実現している。これらのヒーターを最適な位置に置くことで、焼きムラが少ないだけでなく、表面がカリッとして中がフワフワなパンを焼ける。

毎日パンを焼く家庭を想定し、調理後の汚れやニオイ残りを低減する機能も搭載している。1つめは、油が飛びやすい食品を覆う付属品「油飛び散り防止カバー」。
カバー内に食品を入れて調理することで、庫内に直接油が飛び散るのを防止できる。カバーには複数のスリットが入っており、カバー内にも効率的に熱風が循環するため、ムラなく高い火力で調理できるそうだ。コンベクションオーブンでは、油の多い肉や魚を焼くと、ヒーターに油が飛び散って大量の煙が発生することも多い。しかし、油飛び散りカバーを使用すれば、煙問題も解決できる。

2つめは、熱風の吸気口やオーブン底部に装備した「プラチナ触媒ユニット」。熱風の循環過程で庫内に発生した油煙は、プラチナ触媒ユニットを通って排出される構造になっており、ニオイを分解して低減する。加えて、「脱臭コース」も用意。調理後にニオイが残っていても、ファンを回して庫内を脱臭する。


●家庭でも挽きたてコーヒーを
○豆の挽きから全自動なコーヒーメーカー

続いて、象印マホービン 第二事業部 給湯給水グループの中島健氏が登壇し、EC-NA40について説明。「昨今のコーヒーブームにより、国内のコーヒー消費量は2年連続で過去最高値を記録している。コンビニで購入できる挽きたてコーヒーや、サードウェーブコーヒーがブームになるなど、『挽きたてで風味と香りが高いコーヒー』がトレンドだと考えている。家庭向けミル付き全自動コーヒーメーカーも過去4年連続で出荷台数が微増しており、今後も需要は増えるだろう」と語った。

EC-NA40の特徴は「マイコン予熱&ダブル加熱高温95℃抽出」機能。中島氏いわく、香り高いコーヒーを入れるためには、最初に高温でコーヒー豆を「蒸らす」必要がある。しかし、従来のコーヒーメーカーは、構造上の都合で最初に出てくるお湯はどうしても低温になる。そこで、EC-NA40では「最初に送られた水が十分に加熱されない」問題を、湯を2回ヒーターに通して加熱する「ダブル加熱」で、水の経路が冷えているために湯温が下がってしまう問題を、あらかじめ経路を予熱する「マイコン予熱」機能で解消した。


フィルターをセットするドリッパーには、熱がすばやく伝わる薄肉のステンレスを採用。また、ドリッパーの熱が逃げないように、ステンレスドリッパーの外に樹脂製の「断熱ドリッパーカバー」を配置することで、ドリッパー内の高温をキープ。豆を蒸らす段階では、一時的にドリッパーの出口を閉じて熱湯の流出を防ぐため、約20秒で効率よく豆を蒸らせる。

○メンテナンス性の高さにもこだわり

EC-NA40は豆をミルで挽く仕様上、ミルのないコーヒーメーカーよりも使用後の掃除部品は増える。しかし、さまざまな方法でメンテナンスのしやすさが追求されている。一般的に使用後のミルにはたくさんのコーヒー豆カスが付着する。EC-NA40は抽出時の湯をミル内部に流すことで、ほとんどのゴミは紙フィルターに流れ落ちる仕組みだ。ミルは本体から取り外して洗えるほか、ドリップ部からもフィルターケースを取り外せる。
付属のカップ用トレーを装着すれば、コーヒーカップやマグカップに直接コーヒーを抽出することも可能で、さらに洗いものを減らせる。

このほか、蒸らし時間や抽出時間でコーヒーの濃さを調節できる「二段階濃度調節」や、ミルの細かさを2種類切り替えられる「挽き分けフィルター」も搭載。同じ豆を使用しても、これらを組み合わせることで全4種類の味が楽しめる。

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