万年筆には"インク沼"がある - 文房具カフェ店長オススメの「自分だけのインク」入門
●文具大賞から見る万年筆ユーザーのひろがり
近年、安価な万年筆が充実してきたこともあり、万年筆を持つことがぐっと身近になった。定番の"クラシックで重厚なデザイン"以外の選択肢が増えたこと、特にパイロットの「カクノ」やペリカンの「ペリカーノジュニア」などをはじめ、ポップなデザインでよりカジュアルに持てる物が増えてきたことは、以前おすすめ万年筆の記事で取り上げたところだ。
今回は、東京都・表参道「文房具カフェ」の奥泉輝店長に、最近の万年筆まわりの話題と共に、1本目の万年筆を持ったら次に着目したい「インク」についての情報を教えてもらった。
○静かに高まる万年筆フリークの熱気
万年筆ユーザーの広がりは、今年の「日本文具大賞」に、万年筆のためのアイテムが選ばれたことからも実感できます。文具見本市「ISOT」内で発表される、毎年注目の文房具が選ばれている賞ですが、文房具フリークから見ても、今年のグランプリは意外なものだったと話題になりました。
グランプリに選ばれた「SUITO」は、インクを吸入する際などに汚れてしまう万年筆のペン先をきれいにするための専用紙です。吸い取り紙を万年筆の手入れに最適化したもので、手を汚さずにインクの拭き取りができる、万年筆ユーザーにとってはかゆいところに手が届く一品です。