東大、ヒトiPS細胞から肝細胞を簡便かつ効率的に作製する方法を開発
同成果は同大学分子細胞生物学研究所の木戸丈友助教と宮島篤教授らの研究グループによるもので、9月10日に米科学誌「Stem Cell Reports」オンライン版に掲載された。
近年、ヒトiPS細胞から肝細胞を誘導する試みが活発に行われているが、iPS細胞から肝細胞を誘導するには、さまざまなサイトカインによる多段階かつ長期間の分化誘導を必要とすること、また、全てのiPS細胞を均一な成熟肝細胞に分化させることが困難であるといった問題があった。
今回の研究では、新たに肝前駆細胞のマーカーとしてCarboxypeptidase M(CPM)とうい物質を同定し、ヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導系からCPMの発現を指標にして自動磁気分離装置によって、簡便に効率よくヒトiPS細胞由来の肝前駆細胞を分取することに成功した。
この肝前駆細胞は、肝細胞と胆管上皮細胞への分化能を維持したまま増幅することが可能だという。また、成熟肝細胞の性質を長期に渡って維持することから、薬物の毒性試験、新規薬物の探索、細胞治療などへの利用が期待できる。
同研究グループが開発したヒトiPS細胞由来成熟肝細胞調製法は、迅速かつ低コストで肝細胞の大量調製を可能にするだけでなく、B型およびC型肝炎ウイルスやマラリアが感染する可能性もあるため、感染機構研究のツールとしての可能性もあるとしている。
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