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大阪府のカレー通は知っている! いま注目されている「宿カリー」の店3選

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大阪府のカレー通は知っている! いま注目されている「宿カリー」の店3選
●こだわりの日替わりとキーマの合いがけスパイスカレーは1日限定30食
大阪ではいま、欧風カレーやスパイスカレー、さらには和風カレーなど、個性あるカレーが競い合っている。そんな中、カレー通の間でひと際注目を集めているのが、昼間は営業していないBarや居酒屋などを間借りして営業する、通称「宿カリー」だ。特に最近は人気店にこのスタイルが増えたため、大阪のカレー通の間ではひとつのジャンルとして確立しつつある。そこで今回は気鋭の「宿カリー」を3つ紹介しよう。

○南印やスリランカの伝統の合いがけ

大阪市営地下鉄「南森町」駅から徒歩3分ほどの場所にある「梵平」は、ゲストハウスの食堂を昼間だけ借りて営業する「宿カリー」だ。提供するスパイスカレーは、キーマカレーと日替わりカレーを合いがけにした「梵平ミックスカレー」(900円)の一種類のみで、一日30食限定となっている。

スパイスカレーはもともと、南インド地方やスリランカなどで食されているもので、現地では2種類以上の合いがけカレーを混ぜながら食べるのが一般的。「梵平」のカレーは辛さ控えめだが、混ぜることで独特の旨みやクセになる味わいが生まれるのが特徴だ。


10種類以上のスパイスを用いたキーマカレーは、肉々しさの中から甘みや辛みがジワッと広がる。一方、この日はビターポークカレーだった日替わりカレーは、旬を大切にするオーナーが自ら市場で仕入れた素材によって決まり、辛さや味わいもさまざま。オーナーいわく、「毎日が実験的なチャレンジ」と語るほど、野菜やチキン、ポークカレーなど、多種多様なカレーが登場し、混ぜた時の味わいも変化する。

○ドラゴンエッグがカレーを引き立てる

付け合わせにもこだわりが満載だ。大根にクミンを絡めたライタや、角切りのトマトやキュウリをチャットマサラで和えたカチュンバルと呼ばれる付け合わせが添えられている。どちらもさっぱりした酸味があり、辛さに満ちた口の中をクールダウンしてくれる。さらに、台湾料理をヒントにスパイスや醤油で煮込んだオリジナル煮玉子・ドラゴンエッグも、付け合わせとしてカレーを引き立てる。

「時には、インドのキーマカレーに日替わりでタイのグリーンカレーを合わせる日もあります。
これがかなりおいしくて。異なる国のカレーを混ぜて食べてもおいしいのは、カレーという食べものの懐が深いから。作り手が存分に個性を表現できるのが、カレーの素晴らしさだと思います」というオーナーのひと言に、カレーの奥深さを感じた。

●人気うどん店プロデュースの和風カレーで勝負! タルタルソースはマストで
大阪市営地下鉄「東三国」駅すぐの場所にある「HIGE BOZZ」は、夜は居酒屋として営業している店舗を昼間だけ借りて営業する「宿カリー」だ。ここでは、大阪・中津にある人気うどん店「情熱うどん 讃州」プロデュースのカレーが味わえる。また、基本となる「和風カレー」(650円)にトッピングする形でメニューのバリエーションが豊富なのも特徴だ。

○和風カレーをプリプリの牛すじと

一番の特徴は「黒毛和牛 すじベジカレー」(1,000円)でもベースとなっている「和風カレー」のルウにある。ルウには「情熱うどん 讃州」のうどんダシが使用され、辛さはやや控えめに、その分コクを引き出している。


今回紹介するのは「黒毛和牛 すじベジカレー」。トッピングのすじ煮込みは、黒毛和牛のすじ肉をカレールウにも使用している「情熱うどん 讃州」のうどんダシなどを加えたスープで煮込み、甘辛くて柔らかく、しかもプリプリに仕上げている。カレーと一緒に食べると辛さと甘さが調和し、おいしさと食欲が倍増するから不思議だ。トッピングの旬野菜は季節によって変わり、取材時はトマトやパプリカ、紫タマネギ、水菜などが色鮮やかに盛られていた。

○3ステップでおいしくいただく

「HIGE BOZZ」は食べ方にもこだわりがある。まずはそのまま食べ、次はネギと天かすをかけて食べる。最後はガーリックパウダーと七味をお好みでかけて食べる。このように様々な食べ方ができるので、飽きることなく最後まで楽しくおいしくいただける。


一番のオススメは、タルタルソース(50円)のトッピングだ。このタルタルソースは、某番組でケンドーコバヤシ氏が「これだけで食パン4斤はいける! 」と語った一品で、カレーに加えると辛さや甘さ、酸味が混然一体となり、おいしさがグレードアップする。ぜひチャレンジしてもらいたい。

そして最後に、「このルウは、いつの時代も日本人が食べやすい日本人のためのジャパニーズカレーを目指して生まれました。スパイスカレーとは全く異なるダシが効いた和風カレーを楽しんでください」という店長からのアツい想いもいただいた。●スリランカの「母の味」がベース! トリプルカレーはトマトサラダとともに
最後に紹介するのは、JR東西線「北新地」駅そばにある曽根崎新地ビルの5階で営業する「カレーや デッカオ」。こちらも、夜はバーとして営業している空間を昼間だけ借りて営業する「宿カリー」だ。オーナーの奥さまがスリランカ人の母を持つハーフで、デッカオのカレーは奥さまの「母の味」をベースにしている。


○3つ合わせるとまた別の味に

今回紹介するのは、チキンカレー・ナスカレー・本日のカレーと、その日食べられる全種類が味わえる「本日の全種類カレー」(1,050円)。最初はそれぞれのカレーを個別に食べ、その後は3種類のカレーに加えて付け合わせのトマトサラダも全部一緒に混ぜて食べる、という順で味わえば、このカレーのおいしさをフルに味わうことができる。

チキンカレーは甘さと酸味、そして控えめな辛さのバランスが絶妙。ナスカレーは一番人気らしく、カリカリに揚げたナスをタマネギやスパイスで和えている。そして、この日の本日のカレーは、エビの旨みとトマトを感じるエビカレーだった。この3種類のカレーと一緒に混ぜて食べると、個別に食べた時とはまた違った旨みのハーモニーが口いっぱいに広がる。

○トマトサラダは母の愛

さらに、3種類のカレーにはトマトサラダが加わる。トマトサラダは奥さまの母が野菜嫌いの娘に野菜を食べさせようと作ったサラダで、トマト、タマネギ、シシトウなどの野菜に、ほんのりと酸味が利いている。
トマトサラダをカレーとよく混ぜて食べると、カレーにタマネギのシャキシャキ感加わってまたいい味だ。

「カレーにとって辛さは大切な要素ですが、『デッカオ』のカレーはあえて辛さを控えめにしています。それはスパイスカレー本来の複雑な味わいを楽しんでほしいから。ぜひよく混ぜて食べていただき、酸味と辛みの一体感、素材のうまみを楽しんでください」とオーナー。

多様な個性を受け入れる土壌がある大阪だからこそ、個性的な「宿カリー」も受け入れられやすいのかもしれない。あなただけの「宿カリー」をぜひ見つけていただきたい。

※記事中の価格や情報は2015年9月時点のもの。価格は税込

○筆者プロフィール: 中 直照(なか なおてる)
大阪出身のコピーライター。
出版社や中堅ゼネコンなどを経てフリーライターとして独立。その後、2011年にショートカプチーノ設立。コピーライターとして経営者インタビューや企業広報誌、店舗取材など、幅広く執筆。ほかにもホームページ用コンテンツの企画や制作などにも携わっている。

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