キャリアから買うならこれがおすすめ(ワイモバ・UQ編) - モバイルルーターの選び方(第4回)
前回はいわゆる3大キャリアのモバイルルーター選びについて紹介したが、今回はワイモバイルとUQコミュニケーションズについて紹介しよう。
○ワイモバイルはソフトバンクの下位互換
ワイモバイルはソフトバンク傘下に入るより前、社名がイーモバイルだったころから、モバイルルーターに力を入れてきたキャリアだ。古くからモバイルルーターを扱ってきただけあって、機種数も多い。現在はソフトバンク傘下となり、利用する帯域も共通で、ソフトバンクと共通の端末が増えている。
ただし、ソフトバンクと完全に同じ端末というわけではなく、利用する帯域幅の違いなどにより、ソフトバンクの下位互換というような位置付けだ。具体的には、ソフトバンクでは最新機種の「303ZT」でLTEのキャリアアグリゲーション(CA)利用時に187.5Mbpsの通信を実現しているのに対し、ワイモバイルではほぼ同等の「305ZT」で、AXGP利用時に165Mbpsまでの通信となっている。
現在販売中の機種は、カタログに載っているだけでも「Pocket Wifi 305ZT」「401HW」「303HW」「GL10P」「GL09P」「007Z」の6機種。この内3G専用の007Zを除く5機種がLTE対応モデルだが、最大通信速度やWi-Fiの通信規格(IEEE802.11ac)などを総合的に考えると、前述した「305ZT」が一番のおススメになる。
なお、ワイモバイルには305ZTよりさらに新しい「401HW」もあるのだが、Wi-FiがIEEE802.11n対応(2.4GHz帯のみ)止まりで、通信速度も下り最大112.5Mbps(LTE)と、あまり機能的には目立ったところがない。グラム単位で荷物を減らしたいというような需要がない限りは305ZTのほうがいいだろう。
●UQコミュニケーションズのおすすめは?
○最高速度の出し方が違うUQ WiMAX
UQコミュニケーションズは2.5GHz帯を使うWiMAX/WiMAX 2+網を使ったサービスを提供している。さらに親会社であるKDDI(au)のLTE網も利用できるため、サービスエリアとしてはかなり広い。通信速度はWiMAX 2+で下り最大220Mbps、LTEの場合は下り最大75Mbpsだ。WiMAX 2+網の場合、220Mbpsを出せるルーターは現在2機種。UQコミュニケーションズは現在、WiMAX 2+への移行を急ピッチで進めており、モバイルルーターとして購入できるのもこの「Speed Wi-Fi NEXT W01」と「同WX01」だけだ。この2機種は同じ220Mbps対応でも実装の方法が全く異なり、「W01」はCAによるもので、「WX01」は4×4 MIMOによるものだ。
WiMAX 2+のCAは、UQコミュニケーションズが割り当てられている40MHzのうち、WiMAXに割り当てられていた分の帯域をWiMAX 2+のサービスに割り当て直すことで実現している。ただし、これはまだ対応エリアが限られており、対応エリア外では従来通り110Mbpsになる。その代わりというわけではないのだろうが、W01はLTEも利用できる。
一方、4×4 MIMOのほうは帯域幅によらず、全国のWiMAX 2+エリアで利用できる。最高速度を出すには110Mbpsのときと比べて2倍の電波を掴む必要があるため、安定して220Mbpsが得られるわけではないが、全国どこでも220Mbpsの可能性があるというのはやはり大きい。ただしWX01はLTEに対応していないため、エリア的にはW01より見劣りする部分もある。
さてW01とWX01だが、上に挙げた特徴以外はほぼ同等といってもよく、どちらを選ぶべきかは、大変難しい。利用するエリアがもっぱら都市部でWiMAX 2+のサービスエリアと重なっていて、LTEが必要ないという場合はWX01を、WiMAX 2+のエリア外でも使いたいならW01を選べばいいだろう。
なお、WX01にはWi-Fi以外にBluetoothで接続することも可能だ。この場合、連続通信時間がWi-Fi利用時(約8.6時間)の2割増し(約10.4時間)程度に増える。バッテリー駆動時間を重視している場合はこれも参考にするといいだろう。
次回はSIMフリーのモバイルルーターの選び方とおススメ機種について紹介していこう。