Amazon.co.jp、プライム会員向けサービスを続々拡充 - 動画配信サービス「プライム・ビデオ」の提供を開始
アマゾンジャパン24日、Amazonプライム会員向けの新サービス「プライム・ビデオ」の開始に加え、プライム・ビデオを含む、コンテンツ視聴用のストリーミング端末「Amazon Fire TV」シリーズの国内販売を発表した。「Amazon Fire TV」シリーズは本日より予約の受付を開始し、10月28日の出荷を予定する。これに合わせて都内で記者説明会を開催し、製品の概要を紹介した。
○日本のプライム会員は高い成長率
まず、アマゾンジャパン 代表取締役社長のジェスパー・チェン氏があいさつ。Amazon.co.jpは日本で15年間にわたり、製品とサービスを提供してきた。8年前から有料会員制度であるAmazonプライムを投入したが、ここ数年で会員数が大きく伸びているという。
その理由として、お急ぎ便や日時指定便を無制限に利用できるといった「付加価値の提供」を挙げる。また、常にサービスの内容を拡充してきたとして、最近では「当日お急ぎ便」や「Amazonパントリー」「先行タイムセール」といったサービスに加え、プライム会員限定で新型Kidle Fireを割引価格で提供していることも紹介した。
そして今回、プライム会員向けのサービスに「プライム・ビデオ」が新たに追加される。
○プライム会員向け動画配信サービス「プライム・ビデオ」がついに開始
続いてプライム・ビデオの詳細に関してAmazonビデオ国際部のTim Leslie氏が紹介した。Amazon.co.jpでは、日本で15年間にわたりコンテンツの販売を行ってきたが「ユーザーは新作映画を見たいという欲求がある」とLeslie氏は話す。
従来はこうした欲求に対し、有料の動画レンタル・販売サービス「Amazonビデオ」というサービスを提供してきたが、プライム・ビデオによって日米の人気映画やTVドラマをプライムユーザーに提供する。また、プライム・ビデオの利用に当たっては、プライム会員の年会費(3,900円)以外の追加の費用は発生しないことも大きなポイントだ。
Leslie氏は、目玉となるコンテンツとして、日本のAKB48のライブやしまじろう、あるいはアニメ版「シンドバッド」を紹介。これらはDVDなどのパッケージになる前にプライム・ビデオで先行配信される。このほか、テレビで放送された番組の見逃し視聴や、プライム・ビデオ独占のコンテンツ、Amazonオリジナルのドラマも配信するとしている。
こうしたコンテンツは、PCはもちろん、スマートフォンやタブレット、コンソールゲーム機などで見ることができる。ストリーミングに加え、ダウンロードでの視聴も可能だ。
ちなみに権利者の関係上、アメリカで視聴できても日本では視聴できないコンテンツもあるという。制限はIPアドレスでもかかるとのことで、つまり、日本のプライム会員がアメリカに旅行した際にコンテンツが視聴できないケースが発生する。ただ、この場合はストリーミングではなく、スマートフォンやタブレットにコンテンツをダウンロードして視聴すればよいとの説明があった。
●Amazon Fire TVとAmazon Fire TV Stickを国内販売
○ストリーミング配信をテレビで見るためのAmazon Fire TV/Amazon Fire TV Stick
続いては、Amazon.com 製品管理 事業開発のPeter Larsen氏が登壇し、ストリーミング端末「Amazon Fire TV」シリーズを紹介した。Larsen氏は「ストリーミング動画を視聴するには、さまざまなデバイスがあるが、最も良いのはリビングのテレビで見ることだ」という。そしてそういった用途に最適なのが「Amazon Fire TV」だとアピールする。
「Amazon Fire TV」は、HDMI端子を備えたテレビやディスプレイに接続することで、映画やテレビドラマといった動画をはじめとしたコンテンツを視聴可能なセットトップボックスで、アメリカではすでに販売中で、Amazon.comでは4.7の高い評価を得ている。これを日本市場に投入する。
今回発売するのは、第2世代の「Amazon Fire TV」で、小型のボックス内に4コアCPUと専用のGPU、2GB RAMなどを搭載する。4K解像度での画面出力に対応し、4K TVでも利用できるほか、次世代映像コーデック「HEVC(High Efficiency Video Coding)」をサポートする。また、ネットワーク機能としてIEEE802.11ac対応無線LANを備える。
ストリーミング動画を視聴する際に、表示されるまでのタイムラグが発生することが多いが、「Amazon Fire TV」では独自のASAP(Advanced Streeming And Prediction)機能を搭載し、ユーザーの好みに合わせて次に視聴しそうな動画をあらかじめ読み込むことで、タイムラグを軽減する。さらに、複数の端末で視聴しても最後に見た部分を覚えているウィスパーシンクにも対応している。
付属品として音声検索対応のリモコンを同梱。
マイクボタンを押しながら音声で動画のタイトルやジャンル、出演者などを言うことで検索が可能だ。
Amazon Fire TVの価格は12,800円だが、2015年9月24日から26日までの3日間、プライム会員向けに3,000円引きの9,800円で提供するキャンペーンを行うという。
また、小型なスティックタイプの端末「Amazon Fire TV Stick」も合わせて投入する。こちらはテレビやディスプレイのHDMI端子に直接差し込むタイプで、4K再生とゲームには対応しない。
さらに音声検索に対応しないシンプルな「スタンダードリモコン」が付属するモデルと、音声検索対応リモコンが付属するモデルの2製品をそろえる。価格は前者が4,980円、後者は6,480円。こちらもプライム会員向けのキャンペーンを実施し、2015年9月24日から26日までの3日間は1,980円、3,480円で購入できる。発表会では特に明言していなかったものの、旅行先でもストリーミング配信を見るためのデバイスとしてとらえているようだ。