これは化けるかも! ロボ型電話「RoBoHoN」が予想以上に面白い
シャープ6日、ロボット型電話「RoBoHoN」(ロボホン)を発表した。CEATEC 2015会場のシャープブースではRoBoHoNの実機が展示されていたので、実際に触ってきた感想をお届けしたいと思う。
○ロボット好きにはおなじみの造形
RoBoHoNはロボットクリエーターの高橋智隆氏とシャープが共同開発したロボット型電話だ。高橋氏といえば様々なロボットの開発に携わってきた方だが、皆さんがご存知であろうものを挙げると、パナソニックの乾電池「EVOLTA」の性能実証用ロボット「エボルタ」や、国際宇宙ステーションに送り込まれ、今年2月に帰還した「KIROBO」、ディアゴスティーニの「週刊ロビ」で70週かけて組み立てる「ロビ」、タカラトミーの「ロビJr.」などがある。
今回の丸く大きな目にヘルメットのような頭、にこやかな口など、「RoBoHoN」はデザイン的には「ロビ」に近い。いかにも高橋氏が開発したロボットという印象だ。
全高19.5cm、重量390gというサイズは、携帯電話としては正直大きすぎるし、重すぎる。しかしこれがロボットだと考えると、かなりコンパクトで軽い気分になるから不思議だ。
重さからいってバッテリーはさほど容量が大きくないと思われるのだが、どのくらい実働時間があるのかは未公表。今後の情報開示が気になるところだ。
ロボットとしてみたとき、駆動部は首、肩、肘、股、足首の合計9箇所。ロボットとしてはシンプルだが、組み合わせることで多様な動きを実現できる。たっぷり接写してきたので、まずはじっくりご覧いただきたい。
●話しかけて操作
○音声でお願いすることで自律動作も可能
今回展示されているのは開発中のもので、通話部やメールなどを体験することはできなかったが、目玉機能である音声コマンドによる操作は幾つか確認できた。
基本的にRoBoHoNは常時コマンド待ち受けモードになっており、自分が呼びかけられ、認識できるコマンドを受け取ると処理を開始する。Androidの「OK Google」に似ているが、RoBoHoNの場合、この処理は同社の「ココロエンジン」が基礎になっているという。
音声処理はクラウド側で行うことになっているが、インターネットに接続できない環境でどうなるかは不明だ。もっとも3GとLTEも搭載しているので、滅多なことでは電波を拾えないということはあるまい。
音声でコマンドを読み上げてから実行までは3~4秒はかかり、正直もう少し反応が速いといいのだが、これくらいの方が可愛げがあっていいのかもしれない。
●将来に不安も
○電話機よりもロボット寄りの製品
RoBoHoNは「ロボット電話」というカテゴリーにあるが、立ち位置としてはどちらかというとソニーの「AIBO」やシャープの「コミロボ」のような、愛玩ロボット的なものに近いように思う。家でじっと主人の帰りを待つAIBOと違い、人型で、毎日持ち歩いてどんどん親しくなり、言葉も返せるRoBoHoNの方が、さらに思い入れが深くなるに違いない。
純正オプションとして耳と前掛けの部分の交換パーツも予定されているようだが、むしろRoBoHoNの場合は(電波法上の端末改造になってしまわないか心配だが)プラモデルやフィギュア、ドールなどを使った改造が一部のマニア間で流行りそうにも思える。
心配なのは近年AIBOが陥っているのと同じく、修理部品がなくなって直せなくなってしまう問題だ。AIBOの場合はソニーOBらが部品を自作してまで修理対応しているというニュースも流れていたが、RoBoHoNの場合は大丈夫だろうか(出る前から心配しても仕方ないのだが)。
ちなみに学習して成長していくというRoBoHoNの「人格」の方だが、こちらは技術的にはクラウドを介して別の新しい端末に「転生」できるということを、技術者の方に確認してきた。実際にそういうサービスが提供されるかどうかは未確定だが、是非、将来にわたって長い付き合いのできる端末にしてほしい。
日本のメーカーから画期的なジャンルの製品が出ても、単発で終わることが多いのがいつも気にかかっているのだが、RoBoHoNはそういったことのないよう、長い目で見て展開してほしい。