オーディオテクニカ発表会でハイレゾ・アナログ聴き比べ - 20代筆者の軍配はどちらに!?
ともに音楽ファンを惹きつける高品位パッケージでありながら、立ち位置としては真逆にある両者。どちらもリスニングシステムを整える手間と費用がかかることもあり、実現はなかなか難しいものだ。20代の筆者も実際に聴き比べてみたが、「どちらも良い」というのが正直な感想である。ただし音の性質はまったく異なるので、ここは好みが分かれるところなのではないだろうか。
アナログレコードの音源は、なにより温かみがある。
ヘッドホンで聴くと音が割れるようなノイズも多少感じるが、それも「味」という言葉で噛み締められるような深みがある。音が全体を通して閉鎖的で、スピード感はあまりない……と表現すると悪いもののようだが、低域が体の奥にしみ、高域が小節単位でしばらく耳に残るところに余裕とぬくもりを感じる。特に、アコースティックギターの音には、弦を弾く手が見えるかのような臨場感があった。
ハイレゾ音源は解像度が圧倒的に高く、リズムセクションが鋭利に尖ったように聴こえる。音場が広く、バンドの配置もはっきりと把握できるのが良い。高域は上に美しく抜け、低域は耳の後ろ方向にとどまる。アナログレコードの音源と比べるとやはり軽さを感じるが、大量の情報がスピード感をもって一気になだれ込んでくるので、脳が覚醒するような感覚におちいる。
個人的には、気分が暗く落ち込んだ夜にはメロウなアナログ音源を、テンションが高く脳が冴え渡っている日中には情報量の多いハイレゾ音源を聴きたいところだ。
ハイレゾとアナログの両者が、今後コンシューマー向け市場でどのように飛躍して行くのか。オーディオテクニカの鋭い視点が光った発表会であった。