2015年10月15日 14:12
「資本主義経済が直面する大きな課題」フィリップ・コトラー教授の提言とは - WMSJ2015
●「マーケティングがなければ、資本主義は崩壊する」
日本国内外の企業経営者やマーケター、研究者、政治家、官公庁担当者などが参加してマーケティングをめぐるさまざまな課題や将来の方向性をディスカッションする「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015 (以下、WMSJ2015)」が、10月13日・14日の2日間に渡り開催された。
13日に行われた基調講演には、マーケティングの世界的権威であるノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授(以下、コトラー教授)が登壇し、マーケティングの在り方や世界経済の将来に対する提言を述べた。
○世界を牽引してきた日本企業がすべき"脆弱性分析"
コトラー教授はまず、日本経済のこれまでの変遷を振り返り、今考えるべき課題を提起した。
日本は、70年代から90年代にかけ、世界において自動車やオートバイ、カメラ、腕時計、エレクトロニクスなど次々と産業を席巻し、生産効率を追求する"カイゼン"や高い品質の商品生産を追求する"TQ (総合的品質)"といった、今では当然だが当時は最先端だった新しいコンセプトを生み出していった。コトラー教授は、これらの日本の世界経済における貢献を「90年代までに日本が世界に残した"贈り物"」