東京都墨田区の博物館で喫煙を描いた浮世絵などを展示する記念展開催
同館は、1978年11月3日に渋谷区神南に開館した博物館。4月25日に場所を墨田区横川に移し、リニューアルオープンした。このほど、墨田区に移転して初の特別展を開催する。
同館が所蔵している浮世絵は約1,800点。コレクションの対象が喫煙具や喫煙風景の描かれた浮世絵であったため、時代、絵師にとらわれず、幅広い作品群となっているのが特徴だという。今回は、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎など、約28名の絵師による浮世絵を展示する。
注目作品は、「当時全盛似顔揃(とうじぜんせいにがおぞろい)扇屋内花扇 よしの たつた」(喜多川歌麿画 / 寛政6年<1794年>頃)としている。
「花扇」の二字が入っている浮世絵は、同館以外には確認されていないため、大変貴重な作品とのこと。
また、写楽が活動した期間でも比較的早い時期に描かれた「敵討乗合噺(かたきうちのりあいばなし)四代目松本幸四郎の肴屋五郎兵衛」(東洲斎写楽画 / 寛政6年<1794年>)も見どころのひとつだという。
浮世絵のほか、「きせる」「たばこ盆」「たばこ入れ」など、江戸から明治時代に制作され、美術工芸品としても評価の高い喫煙具も展示する。素材、形状もさまざまなたばこ盆の逸品や、八代目桂文楽旧蔵のたばこ入れコレクションなどを公開する。
あわせて、展示関連講演会も開催。11月15日には、「北斎と墨田」(講師・根岸美佳氏)、11月29日には「写楽と歌麿の謎をめぐって」(講師・新藤茂氏)を行う。いずれも14時から、同館3階視聴覚ホールで実施する。参加費は無料(入館料は必要)で、定員は先着120名。
11月22日には、髪結師の林照乃氏が実演を行う展示関連イベント「結髪実演 遊女のヘアスタイル」を実施する。解説は、ポーラ文化研究所の村田孝子氏。同館3階視聴覚ホールにて、11時30分と15時の2回開催する。参加費無料(入館料は必要)。定員は、各回とも先着60名。