エイサー、SIMフリースマホ「Liquid Z530」で日本市場に本格参入へ
日本エイサーは21日、SIMロックフリー端末「Acer Liquid Z530」を発表した。高機能カメラ、ハイレゾ対応、PC連携などが製品の特徴となっている。同日より予約受付を開始し、11月13日に発売する。想定売価は税別25,000円前後。本稿では、都内で開催された記者説明会の模様をお伝えする。
○日本市場に本格参入!
説明会の冒頭、日本エイサーのボブ・セン代表取締役社長が登壇して挨拶した。今年の1月、日本市場向けに初めてSIMロックフリー端末を提供したエイサー。同端末の発売以来、利用者からたくさんのフィードバックを得たという。
それらの課題をひとつひとつクリアして、新製品の開発に活かした。ボブ・セン社長は「これから日本市場に本格的に参入する。今日は、その宣言をさせていただければ」と力強く話した。
続いてAcer本社のスマートプロダクトビジネスグループプレジデントであるS.T.Liew氏が登壇。事業戦略について紹介した。エイサーではPC、スマートフォン、タブレットなど様々なスマートデバイスを開発しているが、今後はそれらの機器を“いかににシームレスにつなげていくか”を課題に掲げる。
今回の新製品Acer Liquid Z530には、PCの画面とシンクロできる機能「AcerEXTEND」を標準搭載した(機能の詳細は後述を参照)。S.T.Liew氏が所属するスマートプロダクト部門は3年前に発足。
これまで西ヨーロッパ、中南米、東南アジアで展開してきたが、いよいよ日本でも本格的に事業を展開する。同氏は「最適なタイミングで参入でき、とてもワクワクしている」と話した。
●「Acer Liquid Z530」の概要
○カメラ、ハイレゾ、PC連携が特徴
続いて、日本エイサーのプロダクトマネージャーである宇佐美慶基(よしき)氏が登壇。製品の詳細を説明した。Acer Liquid Z530は、5インチIPSカラー液晶(720×1,280ドット)を搭載したSIMフリーAndroidスマートフォン。OSはAndroid 5.1を採用している。クアッドコアCPUを搭載、高音質の音楽再生ができるハイレゾ、およびDTS Studio Soundに対応している。
フロント・リアともに800万画素のCMOSカメラを搭載。
広角レンズにより大人数でのセルフィーが簡単に行えるほか、「正面カメラ」「裏カメラ」「セルフィーチーズ」など、声に反応してシャッターを切ることもできる。UIに関しては、子どもや年配ユーザーの利用に配慮した「Easy Mode」「Basic Mode」を用意している。
そのほか、Windows 7/8/10を搭載したPC(エイサー製品でなくても可)とシームレスに連携できる「AcerEXTEND」を搭載。スマホの画面をミラーリングできるほか、スマホで撮影した写真をPCに取り込んだり、ウェブや文章を共有したり、ドラッグ&ドロップでファイルをコピーしたり、といった操作が行える。PC上でスマホを操作することも可能。宇佐美氏は「面倒なスマートフォンでのタイピング、PCとスマートフォンのデータの同期などをスムーズにする機能。ビジネスでは、プレゼンテーションに利用できる」と説明した。
ハイレゾ対応について、宇佐美氏は「アーティストの息遣いや空気感まで感じられる」と紹介。
立体感のある3Dサウンドや重低音を実現するDTS Studio Sound技術を搭載するなど、音に対するこだわりも高い。宇佐美氏は「Liquid Z530は、“Fun for everyone”をコンセプトにして作り込んだ。若い方にもお年寄りの方にも、楽しんでいただきたい」とアピールしている。
●でも販路は未定
○MVNOでの取り扱いは?
質疑応答において、記者からMVNOでの取り扱いについて聞かれた宇佐美氏は「エイサーとして何ができるか、前向きに考えている」と回答。Liquid Z530の販路については、現時点では未定とのこと。また、Liquid Z530のパンフレットに“ハイレゾ音源を楽しむには、DAC(社外製品)が必要”との既述があることに関して、宇佐美氏は「DACをつけるとノイズを消せる。つけることによって、さらにより良い音を提供できるという認識」と説明している。
ゲームのプレイに特化したスマートフォン、タブレットであるプレデターブランドを日本で展開する予定について聞かれると、S.T. Liew氏は「日本市場での関心の高さを感じている。
今後、注力していくセグメントだが、現時点ではどの製品を投入するかまだ決定していない」と回答した。