中谷美紀、実在の画家・藤田嗣治演じたオダギリを絶賛「生き写しのよう」
本作は、フランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治藤田嗣治の半生を、『泥の河』『死の棘』『眠る男』の小栗康平監督が描いた作品。フジタの5人目の妻・君代を演じる中谷は「映画史上に忘れがたき功績を残された監督が久々に映画を撮られるということで、喜んで参加させていただきました」と小栗監督の10年ぶりの新作となる本作に出演する喜びを語った。
そして、フジタを演じたオダギリを「まるでフジタそのもののような、生き写しのようなたたずまいで映画の主軸としていてくださった」と絶賛し、「私は5番目の妻で最後の妻。ただただ映画にいさせていただけるだけで幸せでした」と振り返った。
中谷はフランスでの撮影はなかったものの、その撮影現場を訪れたそうで、「スタッフのみなさんが『小栗! 小栗!』と小栗教の信者のように監督を慕ってましたし、ジョーのフランス語がすばらしいと口々にほめてらっしゃって、同じ日本人として誇りに思いました」と報告。フランスにあるフジタのアトリエや彼が手掛けた教会の絵も見て、「日本にこれだけすばらしい画家がいたことを誇りに思いました」と続けた。
また、役作りについて「君代さんの資料はそんなになかったので、小栗監督が書かれた脚本の行間を吸い取るように、あとは、稀代の天才であるフジタのそばにいて、自分は何も持っていないけど、せめてこの画家の美意識にそぐう人間でありたいと務めている姿…そう思いながらもフジタの自由さに踏み込めない壁のようなものを感じながら演じました」と明かした。