FREETEL、約4万円のフラッグシップスマホ「極」を今秋投入 - 「iPhoneやGalaxy並の性能」と自信
SIMフリーキャリア「FREETEL」を展開するプラスワン・マーケティングは27日、プロダクト発表会「FREETEL WORLD 2015」を開催し、「Priori3 LTE」「極(KIWAMI)」といったSIMフリー端末の新製品を紹介したほか、新たなプリペイドSIMサービスなどを発表した。本稿では、同イベントの模様をお伝えする。
○競合他社を猛追!
イベントには同社の増田薫社長が登壇。昨今、携帯電話市場ではMVNOの注目度が高まりつつある。増田社長は「総務省では、3大キャリアによる“協調的寡占”の状態を脱するべく、MVNOを1,500万回線まで拡大させるとしている」といった事例を紹介した。そして「その市場のなかで、先行する競合他社を猛追しているのがFREETELだ」とアピールした。
なにが“猛追”の原動力になっているのだろうか。増田社長は「使った分だけ後から請求される料金プランが利用者に支持されている。
自社製のスマートフォンが売り切れるなど、端末メーカーとしても好調。他社に比べて通信速度がダントツに速く、iPhone専用SIMの提供などの試みも好評だ」と紹介した。ちなみに「Simple」はFREETELのサイトで3時間で完売、「雅(MIYABI)」は同30分で完売。雅については、現在追加で増産している状態だという。
●iPhone並の性能を持つ「極(KIWAMI)」
○新製品2モデルを投入
増田社長が「世界最高クラスのコストパフォーマンス」と紹介する新製品が、11月16日に予約販売を開始する「Priori3 LTE」だ。価格は税別(以下同)12,800円。OSにはAndroid 5.1を採用、LTE/WCDMAによる通信はNTTドコモ、ソフトバンクのプラチナバンドに対応している。
またフラッグシップモデルSAMURAIシリーズにも、新たに「極(KIWAMI)」が投入される。
こちらも11月16日から予約販売を開始予定。価格は、通常モデルが39,800円で、背面のバッテリーカバーに金箔を多層塗りした受注生産モデル「和柄」が59,800円となっている。6インチの端末で、CPUにはオクタコアを採用。ROM/RAMは32GB/3GB、バッテリーは3,400mAh、フロント/リアカメラは800万画素/2,100万画素という高スペックが特徴。増田社長は「iPhone 6s」や「Galaxy S6」といったスマートフォンと同等の性能を有していると説明した。
今回、新たに追加されたモデルを含めると、FREETELの2015-2016モデルは全8機種となる。増田社長はドコモが10機種、ソフトバンクが4機種、au(夏モデル)が7機種であることに触れ、大手キャリアに匹敵するラインナップを揃えられたと胸を張った。
●海外へも積極展開
○プリペイドSIMと海外展開
このほか、外国人観光客に向けて提供される新たなSIMサービスとして、WeChat/Kakao Talk/Facebook/WhatsApp Messenferのアプリ通信料金が無料になるプリペイドSIMを1月から発売する。
また海外展開も積極的に行う方針で、11月からはカンボジアとメキシコにおいてFREETELの端末を発売するとのこと。増田社長によればドバイ、シンガポール、中国、香港、韓国、ロサンゼルスなどにも支店があり、すでに市場の調査も行っているという。今後、そのエリアおよび周辺国でも順次、端末を展開していく予定だ。
○日本のメーカーはここにいるぞ
イベントの終了後、増田社長は囲み取材に応じた。雅の売れ行きについて、増田社長は「一瞬で売り切れたのでビックリした。本当にありがたい。新たに増産をかけている台数だけで、10万台を越えている」と明かした。
同日のイベントでは外国人観光客を対象にしたプリペイドプランが発表されたが、日本のユーザーにも提供する考えはあるのか、との質問には「いろいろと考えている。
ほかのMVNOでは出来ないことをやっていきたい。海外の事例を研究して分かったことは、L2接続はスタートに過ぎないということ。その先のことに資金を投入していく。例えばアプリで差別化する、といったことにもお客様のニーズがある。これからも深堀りしていく」と解説した。
好評につき、すぐに売り切れてしまったとされる「Simple」については「もともと、とある法人様に向けて作った製品。計画通りの台数で生産は終了する。コンシューマ向けには、新たな端末を計画している」と説明。
携帯電話の家計負担の軽減などについて、政府の諮問会議が開かれている件については「エンドユーザーは、携帯電話の利用料金が高いと感じている。安くなれば、もっとほかのことにお金を使える。2年契約をしていて、気が付かないうちに新たな1年契約が始まる、といったことについても国が“おかしいんじゃないの”と言っている状況」と解説。この動きを好意的に受け止めているという。
新たに「極」を投入する意義について、増田氏は「ほぼ手作りと言ってもいいほど、丁寧に作った。最高のスペックを有している。市場ではハイエンドなスマートフォンのニーズがあるのに、売れているのは韓国、中国のメーカー製品だったり、iPhoneだったりする。国内外で日本のメーカーに勢いがない。
日本のメーカーはここにいるぞ、ということを強く示していきたい」と意気込んでいた。