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DDS、世界初のウェアラブル指紋認証機器「magatama」を発表 - 世の中からパスワードがなくなる?

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DDS、世界初のウェアラブル指紋認証機器「magatama」を発表 - 世の中からパスワードがなくなる?
●アクセサリ感覚で使用可能
DDS(ディー・ディー・エス)は27日、ウェアラブル指紋認証機器「magatama(マガタマ)」を発表した。同製品はiOS、Android、Windows PhoneなどのデバイスとBluetoothで連携することで、指紋認証の利用を可能にする機器。価格はオープンだが、安価に、あるいは無償で提供される見込みだという。2015年11月末の出荷を予定している。本稿では、都内で開催された記者説明会の模様をお伝えする。

○世の中からパスワードをなくすために

記者説明会にはDDSの三吉野健滋社長が登壇。「私たちは、世の中からパスワードをなくすためにビジネスをやっている小さなベンチャー企業」と、まずは自己紹介した。magatamaは質量9.8gの小型な指紋センサを搭載したウェアラブル機器。


NFC Type-A/B/Fに対応しており、ID/パスワードの入力が求められる場面で「さわって」「かざす」だけで本人確認が行える。指紋認証システムは、クラウド上のオンライン認証規格FIDO(ファイド)に準拠。バッテリーには市販の時計に使われているコイン型リチウム電池が使用されており、一般の時計店で簡単に電池交換できる。通常利用で1年間の利用が可能だという。

交通系、決済系、FeliCaといった様々な店頭のNFC端末に対応している。では具体的には、どのような使い方ができるのだろうか。例えばスマートフォンがバッグの奥深くに入ってしまったとしよう。おサイフケータイ機能を利用したいが、スマートフォンが見つからない。
こんなときBluetoothでペアリング済みのmagatamaを、アクセサリーとしてバッグに取り付けておけば、かざすだけで決済できる。

●セキュリティ面にも自信
○スマートキーとしても使える

スマートフォンの電波が圏外でも決済は可能だが、スマートフォンのバッテリーが完全に切れていると使用できない。このあたりの仕様は、おサイフケータイ機能を利用する場合と、同様に考えてよさそうだ。なおmagatamaを使えばiPhoneでもおサイフケータイ機能が利用可能になる。また、指紋認証に対応していないAndroidスマートフォンでも、指紋認証が利用可能になるなどのメリットも考えられる。舞台上では、入退室を管理するスマートキーとして機能させる使い方が紹介された。magatamaのセンサーを指でさわり、次にmagatamaをドアにかざすと、ドアの鍵がスムーズに開閉した。この使い方ではスマートフォンの通信が確保されている必要がある。
三吉野社長は「Web上からドアを開ける権利がもたらされる」と説明した。後から「誰が」「いつ開けたか」といったログを参照できるため、セキュリティの向上にもつながりそうだ。

上記のような場合、magatamaで獲得した指紋の画像情報はスマートフォンを経由してサーバー上に送られ、そこでFIDO認証が行われている。画像はmagatamaにもスマートフォンにも保存されず、指紋の特徴をデータ化したものだけがスマートフォンに保存される仕様。このため万が一、magatamaを紛失しても個人データが漏れる心配はないという。

●FIDOに対応する意味
○〇〇レス社会の実現を!

FIDOアライアンスは「パスワードからの解放」を目的にした団体で、メーカーごとにバラバラだった生体認証システムをつなげる仕組みを開発している。グローバルではFIDOに対応した機器が急増しており、日本国内でもスマートフォンの多くがこのFIDOに対応するようになった。こうした背景から、magatamaでもFIDOに準拠した指紋認証システムを採用している。


DDSでは、magatamaで「キーレス、カードレス、チケットレス、ペーパレス、印鑑レス、キャッシュレス」社会の実現を目指している。FIDOに準拠したことで「どの端末でも、どのアプリでも」簡単に本人確認できる、というのがmagatamaの強みだ。

また、同社では、magatama本体、および専用アプリを無償でエンドユーザーに提供することを考えている。ビジネスパートナーから収益の一部を得ることで運営し、エンドユーザーの負担はできるだけ少なくしたい、というのが同社の方針だ。2017年にはMEMS搭載による多機能化も計画されているという。三吉野社長は「現状ではIDとパスワードを入力させるWebサービスがまだまだ主流。利用の際には、それが大きなハードルとなっている。DDSでは老若男女が使えるような、使い勝手のバリアフリーを目指していきたい」と抱負を語った。


指紋認証を採用した理由について記者団から質問されると、三吉野社長は「普及の個数でいえば、指紋認証を採用したデバイスは10億に上るとも言われている。一方でほかの認証システムを採用した端末は、多いものでも1,000万程度。指紋認証は機器間での互換性が高い」と説明。

身近な例を出して「指静脈認証、手のひら静脈認証などを採用している銀行もあるが、互換性のない認証システムのために普及していない。ゆくゆくは誰も使わなくなってしまうだろう」とコメント。このほか「指紋センサーは小さくて安く、消費電力の点でもメリットが大きい」といった特徴も合わせて紹介した。

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